「教育課題探究実習(隠岐実習)」を実施しました:第2日目

全7回シリーズの3回目。第1回第2回もあわせてどうぞ。

2日目は、隠岐の島町(島後)の北東部にある布施地区での調査です。2004(平成16)年の町村合併以前は布施村というひとつの自治体でした。ポートプラザ前でバスに乗り、隠岐病院で布施線に乗り換え、出発から約1時間で布施地区に着きました。

春日神社の近く、「春日橋」バス停で下車。この時点では、天気はなんとかもっています(晴れ女パワー?)。

なぜ布施地区での調査なのか。翌日の3日目に、高校生による研究発表会(詳細は3日目のところで書きます)に参加することは早くから決まっていました。その高校生による研究の対象地域が布施地区であり、発表会に参加するのなら私たちも布施地区について知る必要がある、という意見が参加学生から出て(半ば誘導したかもしれませんが・・・)、布施までやって来たというわけです。

バス停から歩いてすぐのところに隠岐の島町役場布施支所があります。午前中はここで聞き取り調査・意見交換会です。支所長であるTさん、波江は何かとお世話になっているSさん、そして地域おこし協力隊員として布施支所で勤務し、SNS(FacebookInstagram)による情報発信も積極的に行っているIさんにご参加いただきました。話は布施地区の地域課題から、学校統廃合、高校生による調査活動、Iさんご自身のことまで多岐にわたりました。

旧布施村議会の議場での聞き取り調査・意見交換会の様子。

議場の窓から外(と海)がよく見えますが、途中から雨が降りはじめ、やがて土砂降りに・・・。誰のせいや! ・・・って、心当たりはないこともなく・・・。予定では、午後は世界ジオパークに関連する調査として、春日神社や崎山岬灯台などのフィールドワークを実施するはずでしたが、この雨では特に崎山岬灯台に行くのは厳しいとのこと。ともあれ、昼食をとるためにいったん布施支所をあとにしました。

昼食は、浄土ヶ浦海岸のお食事処へ。夏季限定の営業で、地元のおばあちゃんたちが店を切り盛りされています。この雨だから空いているだろうと思いきや、人がたくさんいる! まあ、気長に待ちましょうと思っていたら、いきなり声をかけられてびっくり。翌日午後にお世話になる予定のSさんと、5日目に訪問予定の中学校の先生方と生徒たちに遭遇(笑)。いやはや、世界は狭い。

昼食後、浄土ヶ浦海岸の展望デッキで記念撮影。雨ですなあ。

雨はやむ気配なしということで、支所の方々のご厚意により、午後は布施地区内を案内していただけることになりました。まず向かったのは、布施公民館。ここは2009(平成21)年度をもって廃校となるまでは、布施小学校・布施中学校だったところです。とりわけ敷地奥側の校舎は、TさんやSさんも通ったという年季の入ったもので、古いながらもたしかに子どもたちが通い、巣立っていった足跡が感じられる場所でした。

古いほうの校舎の一教室。黒板の文字は、卒業生が集まったときに書き残したものだそうです。

次は、林道に入ってどんどん山を上っていきます。途中、オキノウサギが道を横切る姿を確認できました。駐車場で車を降り、山道をしばらく歩いて到着した展望台に立って木々の間に目を凝らすと・・・。一瞬、トカゲ岩が見えました! が、すぐに見えなくなってしまいました。

写真ではまったくわかりませんが、木と木の間にトカゲ岩が見えました。
来た道を引き返します。雨のスギ林は幻想的。

別の林道に入り、目指す先は・・・乳房杉(ちちすぎ)! こんな大雨の日でも、乳房杉の周辺だけはカラッとしていたりするんですよ、不思議ですねぇ、といった会話をしているうちに到着。さあ、どんな乳房杉が見られるのか・・・?!

乳房杉!

ポスターで見るような乳房杉を見ることができ、学生たちのテンションも上がります。大雨により予定変更を余儀なくされましたが、むしろこんな素晴らしい体験をすることができてラッキーでした。

ここで記念撮影をせずしてどこでする!

結局、布施地区には戻らずに、そのまま宿まで送っていただくことに(私と学生2名は買い出しのためショッピングセンターまで)。何から何までお世話になり、ほんとうに感謝です。ありがとうございました。

この日の夕食は、男性陣が宿泊しているゲストハウス(一軒家です)でお鍋にしました。その後のミーティングは、翌日の研究発表会参加に向けての最終打ち合わせもあって本格的なものに。まだまだ実習は続きます。というわけで、続きはまた次回に。