「隠岐ジオパーク研究成果発表会」を開催しました(2019年10月15日)

2019年10月15日(火)9時から、関西学院大学西宮聖和キャンパスのリプラにおいて、「隠岐ジオパーク研究成果発表会」を開催しました。これは島根県立隠岐高等学校の関西研修旅行(修学旅行)の一環として、隠岐高校の2年生が約1年間をかけて取り組んできた「隠岐ジオパーク研究」の成果を大学や企業で発表するというものです。

発表会の開催にあたっては、隠岐高校、関西学院大学、同教育学部の各ウェブサイトに開催案内を掲載していただきました。隠岐ジオパーク研究の概要や発表会開催の経緯などについては、下記リンク先をご覧ください(いずれも2019年10月20日最終確認)。

発表会、ならびに関西研修旅行の様子については「隠岐高ニュース」にて報告されています。また、発表会当日は、山陰中央新報の記者の方に取材していただき、10月17日付けの新聞に記事を掲載していただきました。そのほか、関学のKG News、デジタル毎日の@大学倶楽部ニュース(KG Newsとほぼ同内容)、関学教育学部生が運営するTwitterアカウント「これも関学」にもレポートが掲載されました。ご協力いただき、ありがとうございました(下記リンク先は2019年10月20日最終確認)。

以下、発表会当日の様子を写真とともに振り返ります。(写真はクリックすると大きく表示されます。なお、一部の写真は加工されています。)

10月15日午前中は3大学(大阪大学豊中キャンパス・立命館大学大阪いばらきキャンパス・関学西宮聖和キャンパス)に分かれての発表でした。関学には4チーム22名の生徒と3名の先生が来学されました。

会場のリプラがある2号館。
隠岐高校のみなさん ようこそ関学へ!
リプラの入口。
電子黒板にもポスターを表示。
8時20分過ぎ、隠岐高校御一行到着!

予定通り9時から発表会開始。波江は司会進行と講評を担当しました(あと、写真撮影も)。

1チーム目の発表スタート。

1チーム目のプロジェクト名(プレゼンタイトル)は「へか鍋のバトンタッチ~次世代の君たちへ~」です。「へか鍋」とは、肉ではなく魚介類を使ったすき焼きとのこと。隠岐の郷土料理であるへか鍋を守っていきたいという思いのもと、学校給食に採用してもらい、子供たちに受け継いでもらうことを課題として設定しました。へか鍋の試作と実食アンケート、改善を繰り返し、また、子供たちにも知ってもらえるように可愛らしいポスターも作成しました。今後は給食センターへ企画書を提出し、学校給食への採用を目指して交渉していくそうです。

「サザエちゃん」かわいい!

2チーム目は「卯敷の未来を見据える」。最初、卯敷地区に自分たちの提案を持っていったところ、思わぬ反応にあって戸惑ってしまったこのチーム。そこから、卯敷地区の未来のためにまず自分たちは何ができるのかを考え、地区の方々とともに海岸のごみ拾いや草刈りなどに取り組み、地区の課題や住民にとって必要なものごとを汲み取っていきました。そして、住民の買い物の現状をふまえ、地区の10年後、20年後も見据えながら考案したのが、楽に、また楽しく買い物をするためのショッピングカートです。今後も地区に寄り添い、しっかり声を聞きながらカートの改良を進め、住民の方々に提案する予定です。

卯敷の未来は、隠岐の未来、日本の未来でもあります。そんなことを考えさせられる発表でした。

3チーム目は「卯敷カレンダーでマラソンランナーを増やそう!」。そもそも卯敷地区のことを知らなかったというメンバーもいるなど、卯敷地区の知名度の低さは大きな課題です。隠岐の島町にはウルトラマラソンという一大イベントが毎年6月に開催されますが、島半周の50kmコースは卯敷地区を通りません。そこで、50kmコースの参加者に、卯敷地区のことを知ってもらい、また、島一周の100kmコースにエントリーしたくなるようなカレンダーを渡すのはどうか、というのがこのチームの提案。今年のウルトラマラソンにボランティアとして参加し、参加者に直接話を聞いたりアンケートを実施したりして、オリジナリティのあるカレンダーを作成しました。来年度、まずは上位入賞者に賞品として渡せないか交渉する予定です。

卯敷地区の風景写真と、ランナーの参考になりそうなトレーニング情報を掲載。

3チーム目の発表終了後、発表会をいったん中断し、隠岐高校のみなさんはチャペル・アワーに参加しました。11:10から発表を再開。トリを飾る4チーム目のプレゼンは「釣りプロジェクト in 布施」です。

リプラは西宮聖和キャンパスのラーニングコモンズ。1限終了後から人が増えてきました。

8月頃になってからプロジェクトをガラッと変えたというこのチーム。大きな出遅れは否めませんでしたが、そこからの追い上げがすごかった。隠岐の魅力のひとつである魚釣りを活かして関係人口を増やそうというプロジェクト。ビジネスモデルキャンバスというフレームワークを利用して、誰をターゲットにするのか、どのような価値(ハッピー)を提供するのか、どのように伝えるのか、コストはどのくらいかかるのか(収支の試算も提示)、などをひとつひとつ検討していきました。すでに大きな実績を残しているウルトラマラソンのノウハウも活用しながら島内外の釣りファンを呼び込むイベントを開催する、という提案は、フロアに大きなインパクトを与えていました。

釣りイベントのネーミングもすばらしい!(あえてここには書きません)

それぞれの発表に対して、フロアから積極的に質問が投げかけられました。それに対して、生徒たちはしっかり受け答えしていたように思います。8月の最終中間発表のときと比べて、発表内容・プレゼン・質疑応答のいずれも大きな進展・成長がみられました。

ところで、発表会場では、波江と教育学部生8名が隠岐地域において実施した「教育課題探究実習(隠岐実習)」の成果を発表するポスターも展示しました。隠岐実習に参加した学生は、ポスターづくりのほか、発表会への参加と運営にも積極的にかかわってくれました。

「教育課題探究実習」の成果報告ポスターその1。(左は波江が作成したものです)
「教育課題探究実習」の成果報告ポスターその2。
積極的に質問してくれました。
隠岐誉3人組。

発表会が終わったらお待ちかねの昼食です。今回、西宮聖和キャンパス唯一の食堂「マナ・ホール」を利用していただきました。昼食後は3班に分かれて、聖和キャンパスツアーを行いました。ツアーを担当してくれたのも隠岐実習参加の3名でした(=SCCV所属;SCCVは聖和キャンパスをより魅力的にするためにさまざまな活動している学生ボランティア団体です)。

聖和キャンパスツアーの様子その1(図書館前)。
聖和キャンパスツアーその2(奥に見えるのが正門)。
みんなで記念撮影@聖和キャンパス。

やや慌ただしかったですが、聖和キャンパスでのイベントはすべて終了し、次は西宮上ケ原キャンパスへと向かいました(狭い道をなんとかくぐり抜けるバスの運転手の技術に感服)。上ケ原キャンパスでオープンキャンパスの運営などに携わっている学生サークル「KG CLUB」所属の文学部生がキャンパスツアーを担当してくれました。

関学のシンボルである時計台。
みんなで記念撮影@上ケ原キャンパス。

大学訪問の後、グランフロント大阪にあるナレッジキャピタルの体験ツアーが予定されているとのことで(大変おつかれさまです!)、14時に関学を出発していきました。全行程が無事終了し、お見送りすることができてほっとしました。

至らぬ点も多々ありましたが、今回の大学訪問をとても喜んでいただき、大変うれしく思っています。今回のイベントは、隠岐高校の皆様、関学聖和&上ケ原キャンパスの教職員の皆様、SCCV、KG CLUB、そして隠岐実習に参加した学生たちの多大なご協力を得て実施することができました。あらためて深く感謝申し上げます。ありがとうございました。