隠岐ジオパーク研究発表会開催のご案内(2025年10月7日)

10月7日(火)9時から、関西学院大学西宮聖和キャンパスにおいて隠岐ジオパーク研究発表会を開催します。当日は島根県立隠岐高等学校の生徒たちが来学し、隠岐ジオパーク研究(地域課題解決型探究学習)の研究成果を発表します。どなたでも自由にご参加いただけます(途中参加・途中退出可能)。多くの方々のご参加をお待ちしています。

日時

2025年10月7日(火)9:00~12:00

場所

関西学院大学西宮聖和キャンパス 2号館1階 リプラ・メインステージ

プログラム
  • (9:00~9:10) 開会の挨拶、趣旨説明
  • (9:10~9:30) 1チーム目の発表「みんなで守ろう在来種 未来へ繋ぐ知識のバトン」
  • (9:30~9:50) 2チーム目の発表「隠岐の島に広げよう ゼロ・ウェイストの輪」
  • (9:50~9:55) 休憩
  • (9:55~10:15) 3チーム目の発表「隠岐の歴史に関する地域おこし」
  • (10:15~10:35) 4チーム目の発表「隠岐の魅力を発信して観光客を増やす」
  • (10:35~10:55) 休憩・交流
  • (10:55~11:15) 5チーム目の発表「木(気)になる隠岐~隠岐の木の魅力を伝えよう~」
  • (11:15~11:45) 大学生との発表振り返り、ディスカッション
  • (11:45~12:00) 全体講評、閉会の挨拶
本発表会について
  • 教育学部開講科目「教育課題探究実習(隠岐)」の一環として開催するものです。西宮聖和キャンパスでの対面開催は、2019年度、2022~2024年度に続いて5回目です。
  • 隠岐ジオパーク研究は、隠岐高校の「総合的な探究の時間」において行われている地域課題解決型探究学習です。今年度の「教育課題探究実習(隠岐)」の現地実習では、8月25日に隠岐高校を訪問し、隠岐ジオパーク研究に取り組む高校生たちと交流しました(隠岐実習2025~2日目(8/25)~)。
備考

発表会終了後、聖和キャンパスツアーや、大学での学びや大学生活を紹介するセッション(206教室で実施)も予定しています。

隠岐実習2025~6日目(8/29)&振り返り~

(隠岐実習2025シリーズの目次はこちら

隠岐実習2025もいよいよ最終日。これまでと同様、最終日は自由行動としたので、学生たちの写真はまったくありません(笑)。あまり遠出はせず、パン屋&カフェめぐりをしたりお土産を買ったりしていたようです。

私はというと、ある事情により隠岐高校と都万中学校に行く必要が生じ、タクシーでぐるっと回ってきました(しかも、それぞれの滞在時間は1分程度💦)。そんなこんなでバタバタしているうちに集合時刻が来てしまいました。

私の昼食(オススメのパン屋さんです!)

13時になり、そろそろ空港へ行く時間です。ホテルを出発する前に、最後の集合写真を撮影。今回も大変お世話になり、ありがとうございました!

良い笑顔!

14時過ぎ、定刻どおり(少し早め?)に私たちを乗せたJAL機は隠岐世界ジオパーク空港を離陸。45分ほどの順調なフライトで伊丹空港に到着。スーツケースを受け取ってから諸連絡を行い、15時過ぎに解散となりました。

離陸直後(今回は西向きに離陸でした)

ここからは、隠岐実習2025の振り返りです。といっても、昨年の振り返りはちょっと重すぎた気がするので、軽い感じでいきましょう。

まず、これまでの6回の隠岐実習を通しておそらく初めてと思われる快挙のご報告。毎日、全員朝食に来た!・・・・・・私ひとりで食べたときもあったことを思い返すと感慨もひとしおです(大げさ)。

今回はうれしいサプライズも何度かありました。新聞の取材を受けたのもそうですし、夏祭りの会場で都万小学校前校長のH先生などから声をかけていただいたり、スーパーで買物をしている最中、肩をたたかれ振り向くとなべさんがいたり、夕食のお店で知り合いの方とばったり会い、全員分の飲み物をありがたくいただいてしまったり、ホテルに向かって真っ暗な道を歩いているとき突然声をかけられ、「誰だ?!」と思ったら昨年までずっと隠岐実習のコーディネートをしてくれたFさんだったり・・・・・・。人のつながりを感じる場面が例年以上に多かった気がします。

昨年度末の人事異動により、これまでお世話になってきた方々の多くが島外に転出されたり他部署に移られたりしました。そのため今回は新たな出会いも多かったと思います。「カンセイガクインダイガクの隠岐実習???」と戸惑われた方もいたかと思いますが、あたたかく受け入れてくださり、多大なご協力をいただきました。ほんとうにありがたいことだと思います。

さて、5日目のレポートで、「座談会」の中で語られた言葉が今も心に残っていると書きました。学生たちが率直に語ったことについて、アンサーとまではいきませんが、私が感じたことを少しだけ書いておこうと思います。

隠岐実習全体を振り返る中で、ある学生は「手応えがなかった」「苦しかった」と語り、それに呼応してなのか、他の学生たちも口々に「苦しかった」と発言しました。正直に告白すると、それを聞いて私は内心動揺しました。もちろん、学生たちは実習に対する不満を表明したわけではありません。実習のさまざまな活動を通じて感じていた個人的感情が率直に吐露されたのだと理解しています。

なぜ私は動揺してしまったのか。それは、大学教員としての私がいつの間にか、「隠岐実習への参加を通じて学生は大いに学び、充実感・達成感を得る」と思い込んで(思い上がって)しまっていたからだと考えます。まったく恥ずかしい話で、反省しなければなりません。気づかせてくれた学生たちに感謝です。

また、その後も考え続ける中で、「苦しかった」という感覚は、実はこの隠岐実習、正式にいえば「教育課題探究実習(隠岐)」が目指すべきところではないか、と思い至るようになりました。今回発せられた「苦しい」という言葉にはいくつかのニュアンスが含まれていたかと思いますが、「探究したからこそ苦しい」という面もあったのではないかと考えます。

とはいえ、「教育課題探究実習が目指す境地は「苦しい」である」などと言ってしまうと参加する学生が誰もいなくなってしまうので、実習プログラムの満足度との兼ね合いは難しいところですが・・・・・・。

こんなとりとめもない思考の背景には、私と学生たちとの間に、「探究」に対するイメージや考え方のギャップがあると感じたことがあります(2日目のレポートも参照)。今回の実習で私自身が得た気づきや学びをもとに、「探究」とは何なのか、「探究」の意義はどこにあるのかをさらに深く考察し、今後の隠岐実習に生かしていきたいと思います。

最後になりましたが、今回も実に多くの方々にご協力・ご支援いただき、隠岐実習を無事終えることができました。あらためて心より感謝申し上げます。報告書が完成しましたら、また送付させていただきます。今後も何かとお世話になると思いますが、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

最後の最後に、隠岐実習2025のメンバーにもThanks! ・・・・・・いえ、ちゃんと伝えないといけないですね。5月の顔合わせから長い長い時間をかけて一緒に隠岐実習をつくり上げることができ、とてもうれしく思っています。ほんとうにありがとうございました!(でも、これで終わりではないので、もう少し頑張りましょう。引き続き、よろしくお願いします🙇‍♂️)

隠岐実習2025~5日目(8/28)~

(隠岐実習2025シリーズの目次はこちら

この日はゆっくり始動。9時半にホテルを出発し、向かった先は・・・。

隠岐の島町役場!(写真はクリックすると大きく表示されます)

スケジュールの都合上、今回は実習後半となりましたが、隠岐の島町の教育や地域課題等について聞き取り調査を実施しました。調査には、隠岐の島町教育委員会からKさん・Nさん・Oさん、役場地域振興課からSさん・Kさん、商工観光課からFさんにご参加いただきました。10時からスタート。まずSさんによる隠岐の島町の概要説明があり、その後質疑応答が行われました。

聞き取り調査の様子

基本的には学生主体で進行していきましたが、私(波江)も2点ほど質問する機会がありました。詳細は書きませんが、どちらも今聞きたかったことです。それに対する回答は、腑に落ちるものではなかったというのが率直なところです(回答者の立場を考えれば精一杯の回答だったとは思いますが)。今後の隠岐の島町の教育や地域はどのようになっていくのでしょうか。

12時少し過ぎに調査終了。会議室を出たところで●さんらと少し雑談してから(ここでは上記の「回答」とはまた違う話が聞けました)、役場を出て徒歩10分ほどのところにあるお店へ。時間に余裕があったので、ゆっくり昼食(うどん)や食後のデザートを楽しみました。

この日の午後の予定はずっと決まらず(無理に決めようともしなかった)、実習直前になって「3大杉を見に行こう」ということになりました。島後(隠岐の島町)の3大杉とは、八百杉(やおすぎ)、乳房杉(ちちすぎ)、かぶら杉のこと。最近はこれにマド杉も加えて「島後の4大杉」ともいうようです。いずれも隠岐ユネスコ世界ジオパークの自然や歴史を感じることができるジオサイトです。

14時にジャンボタクシーに乗って役場を出発し、まずは八百杉がある玉若酢命神社へ。写真では迫力がまったく伝わりませんが、樹齢約2000年とされる八百杉は圧巻の一言。

八百杉!
玉若酢命神社

次は、島を縦貫する県道316号線沿いにあるかぶら杉へ。

樹齢約600年のかぶら杉。バス停もあります。

タクシーの車内で水木しげるについて話していたら、運転手さんにアマビエの像があることを教えていただき、そこで止まってもらうことにしました。水木しげるロードといえば境港が有名ですが、海を越えて隠岐・島後まで続いているのですよね。

アマビエのブロンズ像と中村川

中村地区から布施地区に入り、山道を上っていくこと30分弱、ようやく乳房杉のある場所に到着。私自身、第1回の隠岐実習以来6年ぶりの対面です。

樹齢約800年の乳房杉!
神秘的な場所

もう1か所ぐらい行けそうということで、最後は施地区にある浄土ヶ浦へ。

浄土ヶ浦

ここから西郷地区に戻り、16時半過ぎに京見屋分店に到着。毎年お世話になっております。Tさんご夫妻にご挨拶し、しばし店内めぐり。そして、この日最後、というより、実質的に今回の隠岐実習最後の企画を行うため2階の風待ちofficeへ。

その企画とは、「座談会」。事前ミーティングのかなり早い段階で「現地実習の最後に振り返る時間をつくりたい(できれば地域の方々と話しながら)」という話が持ち上がり、実施すること自体は早々と決まっていました。特にここ2年ほどの隠岐実習は活動をめいっぱい行い充実していた一方で、実習中(あるいは実習直後)にきちんと振り返りをしてこなかったという反省もあり、今回このような時間をつくりました。

17時ごろから開始。「座談会」といっても、参加者は私たちだけです。前半(というか予定時間の大半)は都万中学校での授業実践に関する振り返りが行われました。

風待ちofficeでの座談会(振り返り)
話が弾みます

終了予定時刻が近づいてきたところで、隠岐実習全体の振り返りへと移り、一人ずつ順番に率直な思いを語りました。この日から3週間あまりが経ちましたが、このときの場の雰囲気はこれまでの隠岐実習では経験したことがないもので、各々から語られた言葉はさまざまなニュアンスで私に響き、今も心に残っています。凡庸な文章はこれぐらいにして、ここでは一人ひとりの表情を写真で伝えることにしましょう。

Tさん
Uさん
Yさん
Kさん
Iさん
Hさん

もっと時間があれば・・・・・・と思いましたが、でも、あれぐらいの時間(1時間40分ほど)がちょうどよかったのかもしれませんね。ほんとうに良い時間でした。

実習最後の夜は打ち上げ! ということで、例のお店へ(でも、今回のレシートはそれほど長くなかったです)。そして、ホテルに戻ってきてから花火!(許可を得て実施)ようやく涼しくなり始めた隠岐の夜風を心地よく感じながら、しばらく花火を楽しみました(写真はありません💦)。

次は隠岐実習2025レポートの最終回。6日目(最終日)についてはあまり書くことがないので、実習全体の振り返りも少し書いてみようと思います(9/21公開)。

隠岐実習2025~4日目(8/27)~

(隠岐実習2025シリーズの目次はこちら

4日目は、隠岐実習では定番となった都万DAY。隠岐の島町の南西部に位置する都万(つま)地区で授業実践や調査を行い、今年も海に入りました!

隠岐病院まで送っていただき、そこから路線バス(都万線)に乗車。ただ、8月下旬の大雨による土砂崩れにより都万線の一部区間が通行止めになっており、時間どおりに着くか心配でした。実際、迂回ルートはなかなかの山道でしたが(夜は真っ暗でした)、結果的には定刻どおり都万支所前のバス停に到着。そこから歩いて都万小学校へ向かいました。

いつまでも残ってほしい都万小の特徴的な建物(写真はクリックすると大きく表示されます)

9時45分ごろから聞き取り調査を開始。今年度から着任された校長のW先生と、昨年度に引き続き教頭のF先生、関西での教員経験をもつO先生の3名にご対応いただきました。事前にお送りした質問リストに沿って、少人数教育、授業での取り組み、隠岐の島町における教員の現状などについて質疑応答が行われました。個人的には、小規模校における子どもとの接し方に「なるほど」と思い、また、先生方のやりとりやお話から垣間見える、都万小のアットホームな雰囲気(がさまざまな気配りによってつくられていること)が印象的でした。

聞き取り調査の様子

その後、短い時間でしたが学校内の見学も行いました。子どもたちのいない学校は静かでしたが、掲示物などから活動の様子が伝わってきます。玄関横には歴代の集合写真が掲示されており、(旧)都万村の学校として存続してきた歴史の重みを感じました。

1年の教室。机が小さくてかわいいです。
明治期からの集合写真が並んでいて圧倒されます

都万小にいる間ずっと、私の頭の中には小・中学校の再編(統廃合)のことがよぎっていました。あえて某資料へのリンクは張りませんし、ここで長々と語ることは控えますが、こんな素敵な学校がなくなってしまってよいのかな、ぐらいは書いておきたいと思います。それは次に取り上げる都万中学校も然りです。

11時半ごろに都万小をあとにし、グラウンドを横切って(ちゃんと許可を得ています)徒歩1分で都万中学校に到着! 昨年よりも早く来た理由は・・・・・・?

都万中学校!

教頭のT先生にお迎えいただき、校長のO先生に挨拶してから控室へ。今年は授業見学もOKということで、4校時(11:40~)の各学年の授業を少しずつ見学しました。最初は2年生の社会(地理)の授業。話の流れで地理クイズ大会に大学生も参戦することになり、大いに盛り上がりました(最後は私がおいしいところをもっていってスミマセンでした💦)。次は3年生の英語。私にとっては1年生のときから知っている生徒たちで、ついに最高学年か・・・とひとり感慨にふけっていました。最後は1年生の体育。バレーボールをやっていましたが、ゲーム(授業)の進め方に工夫がありました。

大学生にとっては負けられない戦い?
3年生たちはギュッと集まって英語の活動中
ミスをしても大丈夫な雰囲気づくりができていました

4校時が終わり、さあ給食の時間! 過去2年が同じメニュー(一匹まるごとの焼き魚!)だったので、まさかの3年連続もあるか?! と期待していましたが・・・・・・今年は違うメニューでした(美味しかったです)。

しまねっこ牛乳ポーズ(?)

5校時が近づき、いよいよ今回の隠岐実習2回目の授業実践に臨みます。西ノ島中学校では1コマ(50分間)、3年生対象の授業でしたが、こちらでは2コマ確保していただき、1~3年の全校生徒(28名)が対象です。13時40分、音楽室に全員が集まり授業が始まりました。

まず全体に向けて授業の概要説明

今回用意してきた授業のタイトルは「隠岐推します!~あなたの『好き』で島が輝く~」。簡単に流れだけを言ってしまうと、前半は隠岐グループと都市グループに分かれてディスカッションを行い、それぞれの良いところや欠点について議論する中で、最終的に隠岐のアピールポイントを見出していきます。それをもとに、後半は隠岐をPRする「広告」を作成し、最後に発表する、という内容でした。工夫した点はいろいろありましたが、中でも前半のディスカッションにおける「欠点に対する見方を変え、良いように言い換える」活動はこの授業のキーとなるものでした。授業を構想する過程において学生たちがこだわったのは、視点を広げ、多面的な見方・考え方を大事にするということです。

3教室に分かれて活動が進められました
自分の言葉で主張することも重視した点の1つ
さまざまな意見が出されています
広告を作成しているところ

予定よりも少し時間が押しましたが、残りあと10分ほどのところで再び音楽室に集合し、3グループが作成した広告を提示して発表を行いました。中には教室から音楽室へ移動する間に打ち合わせを行い、他のグループとは異なるプレゼンをしていたグループもあり、臨機応変さや都万中ならではの子どもたちの関係性の強さを感じました。

1グループ目の発表
2グループ目の発表
3グループ目の発表

最後は学生がまとめを述べ(ここはもっと時間を取りたかった)、授業終了。その後、毎回恒例の写真撮影タイムとなりました(波江は同行カメラマンと思われているかも😅)。

(なぜこのポーズだったのか撮影者はよくわかっていません・・・)

授業の振り返りも書きたいところですが、すでに相当長くなっているのでまたあらためて。この日最後の活動はシーカヤック! 細かい説明は抜きにして、どうぞ写真をご覧ください!(写真の一部は隠岐ジオパークツアーデスクのSさん撮影・提供)

シーカヤックに行く前に屋那の舟小屋が見えるポイントに寄り道(高田山もよく見える)
波江もがんばってます!
後部座席(?)視点。波江とペアを組んだのはTさん。
サンセットというには微妙でしたが、海の上は気持ちよかったです

この日の夜は名店のお寿司(だけじゃない)を堪能し、ホテルに戻ってきたのは22時近く。4日目までは大きなトラブルもなく、気がつけば実習も残り2日。ということで、5日目のレポートに続きます。

隠岐実習2025~3日目(8/26)~

(隠岐実習2025シリーズの目次はこちら

実習3日目は島前DAY! 新型コロナの影響で日程短縮となった隠岐実習2021を除き、毎回島前に行っていますね。

8時30分発のフェリーしらしまに乗って西郷港を出港! 写真ではどんよりしていますが、基本的には良い天気で波も穏やか。ただ、風がかなり強く(それなりの速度で航行しているので当然ですが)、私は西郷岬灯台(イチオシスポットの1つ!)を通過したあたりで船内に戻りました・・・。学生の何人かはずっと外にいたようです。

髪型が乱れている写真を使ってしまいすみません🙇‍♂️

定刻どおり9時40分に海士町の菱浦港に到着。そこから5分ほど歩き、今年も隠岐國学習センターにやって来ました。今回はいつもと違う向きで記念撮影。学生たちが立っている坂道を上っていくと隠岐島前高校に着きます。

古民家改修部分を背景に

今回も竹内センター長にご対応いただきました。建物内部を見学しつつ用意されたスペースに入り、10時ごろからレクチャー&ディスカッションの開始です。まずは竹内さんから、アイスブレイクも交えつつ隠岐國学習センターや島前地域の教育魅力化についてご説明いただきました。

竹内さんによるレクチャー

少し時を遡ると、私は7月22日に隠岐國学習センターを訪問し竹内さんと打ち合わせを行いました。今回の機会(隠岐実習での訪問)を、一方的に教わったり予定調和的な質疑応答に終始したりではなく、双方向的で刺激的な時間にしたいという思いを伝えたところ、共感していただき、当日はあれもこれもではなく、いくつかのテーマをもってディスカッションをしましょう、という話になりました。

その話を持ち帰り、学生たちには「隠岐國学習センター訪問の目的は何か、訪問を通じて何を学び何を得たいのか」を明確化(言語化)するよう求めました。提出された回答を竹内さんとも共有し、当日はそれをもとにディスカッションが進められました。

大まかな流れとしては、「公教育のあり方」、「公教育と公営塾の関係性」(隠岐國学習センターは公設民営に近い)、「子どもの興味関心や自発性を活かす教育、自律的な学習者」といったテーマで議論が行われ、そこから展開して「公教育における「探究」の是非」にも話が及びました。2日目のレポートの中で、「探究」に対する考え方に関して私と学生の間にギャップがあると書きましたが、それはこのディスカッションを通じて感じたことです。学生たちの発言が止まらなかったため私は静観していましたが、もっと時間があればこのテーマで議論を深めたいと思えた時間でした。

「探究」に対する率直な思いを語る学生

11時半にディスカッション終了。正直なところ、ぜんぜん時間が足らず消化不良な感じ・・・。ともあれ、他団体(東京の某高校の研修旅行)と重なり忙しい状況の中で私たちの実習を受け入れてくださったことに感謝し、学習センターをあとにしました。

昼食後(今年も限定10食のアレを堪能!)、フェリーどうぜんで隣の西ノ島町へ。予約していたジャンボタクシーに乗って別府港を出発し、10分ほどで西ノ島町立西ノ島中学校に到着。さあ、今回の隠岐実習「1回目」の授業実践です。

隠岐実習ファン(?)の方は「あれ?」と思ったかもしれません。あるいは、「おお、久しぶりに!」と思った人もいるかも(相当古参のファン)。隠岐実習での授業実践といえば都万中学校ですが、昨年度まで都万中の教頭だったN先生が今年度から西ノ島中の校長に着任され、授業実践をお願いしたらご快諾いただいた、というのが今回の経緯です(もちろん、前提には「授業実践をたくさんしたい」という学生たちの希望があります)。西ノ島中で授業をするのは第1回の隠岐実習(2019年)以来ですね。

今回の授業は3年生16名が対象であり、学校側からは事前に「中学3年のときに何を考えていたか、何を考えるとよいか、話してほしい」「広い意味でのキャリアを考えるような時間にしてほしい」というご要望をいただいていました。準備の取りかかりは早く、授業の骨格は7月下旬にはある程度固まっていたのですが、そこから話し合いや準備作業が停滞してしまい、結局は実習直前までバタバタすることになりました。また、通しのリハをしないまま本番に臨むというのも不安材料です。

授業開始!

14時40分(6校時)になり、授業開始です。上記のオーダーもふまえ学生たちが考えた授業は「描こう!10年後のわたし~すごろくでつくる未来設計図~」。簡単に説明すると、中学生から始まり25歳をゴールとするオリジナルのすごろくを使い、サイコロを振って止まったマス目のテーマについて話す(話し合いする)、という内容です。互いに緊張して重苦しい空気になるのでは、というのは杞憂で、大学生がうまくリードしながら和やかな雰囲気ですごろくが展開していきました。

開始直後からあちこちで笑い声が上がります
今回用意したすごろく
中学生と大学生の語り合い

残り15分のところですごろくを止め、ワークシートを用いての振り返りの時間を設けました。すごろくを通じて話したこと、考えたことを言語化することは大事なことですが、短時間で書くのは難しかったかもしれません。最後は学生が一人ずつメッセージを述べて授業を終えました。

ワークシートに記入中
授業に込めた思いなどを語りました

授業の反省点は多々あったと思います(当日夜のミーティングで伝えました)。また、授業をやってみての手応えや感想も人それぞれであったことでしょう(後日その一端を知ることになり、それが波江の心に残っています)。大事なのは、やったことを振り返り、それをさらに突き詰め探究していくことではないかと思います。

15時50分ごろに学校を出発し、さあ、あとは観光・・・じゃなくて、隠岐ユネスコ世界ジオパークを体感的に学ぶアクティビティです。向かった先は、の前に・・・・・・途中で出会う馬! 牛!

タクシーの車内から

ワーワー騒いでいるうちに、摩天崖展望所に到着。では、写真でお楽しみください!

ばっちりポーズをとる3人組と、風に翻弄される4人組
外海に面した断崖絶壁とカルデラによって形成された内海(左奥)
今年は多くの馬たちや牛たちに出会えました

17時15分、私たちを乗せたフェリーしらしまは別府港を出港。1時間15分の航行で西郷港に戻ってきました。まだまだ暑いですが日の入り時刻は確実に早くなっており、うっすら夕焼けの港周辺です。今回も島前DAYを無事終えることができました。ということで、4日目に続きます。