2025年度「教育課題探究実習(隠岐)」の履修者を募集します

今年度も「教育課題探究実習(隠岐)」、いわゆる「隠岐実習」を実施します。教育課題探究実習(隠岐)とか隠岐実習とはなんぞや? という人もいると思いますが、先に履修説明会などの案内をさせてください。

履修説明会

  • 日時:2025年4月11日(金)12:50~13:15
  • 場所:西宮聖和キャンパス 2号館1F リプラ・メインステージ
  • 内容:前半は担当教員(波江)が科目(実習)の概要や履修方法等について説明します。後半は2024年度実習経験者が登場する予定です。
  • 備考:スケジュールの都合等で参加できない人には個別に対応しますので、遠慮なくご相談ください。

履修ガイダンス動画・履修要項

4月7日(月)ごろに限定公開予定(関学関係者のみアクセス可)。

  • 履修ガイダンス動画
  • 履修要項

「教育課題探究実習(隠岐)とは

離島地域(島根県隠岐地域)をフィールドとして、教育実践や実地調査を通して教育や地域の魅力・課題について主体的に学び、探究する実習科目です。2019年度にスタートし、今回で6回目となります。これまでの実習の内容や様子については、隠岐実習2019隠岐実習2021隠岐実習2022隠岐実習2023隠岐実習2024をご覧ください。

  • 教育学部開講の通年科目
  • 単位数:2単位(履修単位数制限外、卒業単位に含む)
  • 履修資格:2年生以上
  • 定員:15名(程度)
  • その他、参加費や履修にあたっての注意事項、履修方法等については履修要項をご確認ください。

2024年度「教育課題探究実習(隠岐)」報告書を作成しました

ご報告が遅くなりましたが、2024年度「教育課題探究実習(隠岐)」の報告書を作成しました(奥付には2025年2月15日発行と記載)。毎回なんとか報告書を作成し、今回で5冊目となりました。

送付用と学生用に23冊作成

今年度の隠岐実習の様子はこちらからどうぞ。

実習でお世話になった方々には、順次郵送または手渡しをさせていただきました。私たちの隠岐実習に対するご理解・ご協力に対し、あらためて心より感謝申し上げますm(_ _)m

ここには、表紙・はしがき・目次のみのPDFを掲載します。個人情報等の保護の観点から、ならびに、学生のレポートという性質上、本文については公開する予定はありません。もし内容に関心があるという方がいらっしゃいましたら、まずは波江までご相談ください。

『2024年度「教育課題探究実習(隠岐)報告書』(表紙・はしがき・目次のみ)

隠岐ジオパーク研究発表会開催のご案内(2024年10月8日)

10月8日(火)9時から、関西学院大学西宮聖和キャンパスにおいて隠岐ジオパーク研究発表会を開催します。当日は島根県立隠岐高等学校の生徒たちが来学し、隠岐ジオパーク研究(地域課題解決型探究学習)の研究成果を発表します。どなたでも自由にご参加いただけます(途中参加・途中退出可能)。多くの方々のご参加をお待ちしています。

日時

2024年10月8日(火)9:00~12:00

場所

関西学院大学西宮聖和キャンパス 2号館1階 リプラ・メインステージ

プログラム(発表題目等は変更の可能性があります)
  • (9:00~9:10) 開会の挨拶、趣旨説明
  • (9:10~9:30) 1チーム目の発表「地元ホテルと創る島内外の溶け合う共感体験:高校生が挑戦する縁の空間づくり」
  • (9:30~9:50) 2チーム目の発表「I&N隠岐:背景とともに楽しむ周遊商品で自然資本を管理する新しい仕組みづくり」
  • (9:50~9:55) 休憩
  • (9:55~10:15) 3チーム目の発表「ローソクんを助ける」
  • (10:15~10:35) 「塩の開発」
  • (10:35~10:55) 休憩・交流
  • (10:55~11:15) 5チーム目の発表「デジタル×ゲーム性×みんなで創るこれからの分布図」
  • (11:15~11:45) 大学生との発表振り返り、ディスカッション
  • (11:45~12:00) 全体講評、閉会の挨拶
本発表会について
  • 教育学部開講科目「教育課題探究実習(隠岐)」の一環として開催するものです。西宮聖和キャンパスでの対面開催は、2019年度2022年度2023年度に続いて4回目です。
  • 隠岐ジオパーク研究は、隠岐高校の「総合的な探究の時間」において行われている地域課題解決型探究学習です。今年度の「教育課題探究実習(隠岐)」の現地実習では、8月26日に隠岐高校を訪問し、隠岐ジオパーク研究に取り組む高校生たちと交流しました(隠岐実習2024 DAY3(8/26))。
備考

発表会終了後、聖和キャンパスツアー、大学での学びや大学生活を紹介するセッション(634教室で実施)、上ケ原キャンパスツアーも予定しています。

2024年度隠岐ジオパーク研究発表会ポスター

隠岐実習2024 DAY6(8/29)&振り返り

隠岐実習2024レポート最終回は、最終日(8/29)の報告と簡単な振り返りを書きます。

最終日の朝は雨。風もかなり強く、帰りの飛行機が欠航にならないか不安がよぎりましたが、JALのサイト上では特に変化なし。ホテルの方も「条件付き運航にもなっていないので、飛ばないことはないでしょう」と心強いお言葉。予定どおり帰れるであろうと判断し、学生たちに連絡しました。

最終日は自由行動。10時少し前にロビーに下りると、ほとんどの学生はすでに出かけたようでした。私はしばしJALの運航情報や気象情報をチェックしてからホテルを出発。西町を目指してのんびり歩き・・・

風待ちofficeでコーヒータイム

京見屋分店さんの2階、風待ちofficeをひとり占め。ずっとここにいたい気分でしたが、お昼が近づき、店主のTさんご夫妻にお礼をしてお店を出ることに。木村屋さんでパンを買い、お土産を買おうと港に行ったところで一部の学生と合流。強風に飛ばされそうになりながら、学生たちとともにホテルに戻りました。

13時20分になり、6日間お世話になったホテルを出発。今回も私たちのことを温かく見守ってくださり、安心して過ごすことができました。ありがとうございました!

空港に着くと、昨年度まで都万中学校の校長であったW先生が待っていてくださいました。短い時間でしたがお話しできてよかったです(また11月によろしくお願いします)。また、タイミングが悪く直接お会いすることはできませんでしたが、DAY2でお世話になった有木小学校のY校長先生も見送りに来てくださいました。ほんとうに感謝、感謝ですm(_ _)m

昨年度の反省を生かし、搭乗待合室で最後の記念撮影。

Yさん with 隠岐実習メンバーズ(ではない)

機材到着遅れで予定時刻よりも出発が遅れましたが、14時38分に隠岐世界ジオパーク空港を離陸。約45分ほどで伊丹空港に到着し、解散。隠岐実習2024は無事終了しました。

離陸直後、隠岐空港と西郷岬灯台が見えます

ここからは今回の隠岐実習を簡単に振り返ります。

まずは事前学習・ミーティングから。隠岐実習ではもはや定例化した😅「6限」(18:45~)にミーティングを実施することが多かったですが、例年よりも参加率は高かったように思います。都万中チームや夏祭りチームなどのチーム分けも早い時期に決まり、多くのメンバーが集まったときのミーティングは活発でした。また、今年度はラーニング・アシスタント(LA)を3名採用することができ(全員昨年度の実習参加者)、ミーティングや事前準備において大きな助けとなりました。

しかし、7月以降はお互いのスケジュールが合わず、対面でのミーティングをほとんど実施できずに現地実習に突入することになりました。グループLINEを通じて随時やりとりし、Zoomミーティングも実施しましたが、どうしても教員からの一方向的な情報伝達になりがちで、実習の準備が進んでいるという実感を持てなかったというのが正直なところです。実際には、チームごとに話し合いや作業が進んでいたのですが(ただし時間不足・準備不足は否めなかった)、それが全体で共有できておらず、実習の全体計画をなかなか見通せなかったことは大きな課題だったと思います。

また、「探究する態勢ができ、実際に探究できていたか」は厳しめに評価する必要があると考えています。隠岐実習の正式な科目名は「教育課題探究実習(隠岐地域における課題探究と教育実践)」であり、その名のとおり「探究」をとても重視しています。探究する態勢ができていないと十分な探究はできない。このことは、隠岐高校の「ジオパーク研究/探究」への継続的なかかわりを通じて強く感じるようになってきています。探究する態勢をつくるには、これまでと同じやり方ではまったく時間が足りません。事前学習のあり方・進め方を根本的に見直す必要がありそうです。また、勢いに任せて言ってしまえば、学部の教育も変わっていかないといけないのだろうと思います(自己批判を込めて)。

次に、現地実習について。一言でいえば、安定感があり、天候のことを除けば不安を感じる場面は少なかったです。過去最多の人数、そして台風という不安要素があったにもかかわらず、スムーズに実習を実施できたのは、過去4回の実習との継続性を生かすことができたからだと思います。また、今回も人とのつながりを強く感じました。新たなつながりをつくることもできました。多くの方々の協力があってこそ、この隠岐実習は成立し、ここまで続けることができています。隠岐実習が持続可能な教育プログラムであるために、継続性と人とのつながりは大事にしていきたいと思います。

一方で、今回は新たなチャレンジという点では物足りなかったかなと思っています。4月の履修ガイダンスの中で、隠岐実習の意義・魅力のひとつとして「自分たちの実習は自分たちでつくる」ということを挙げました。振り返ってみて、それができていたかどうか。有木小学校での夏祭りは初めてのチャレンジでしたが、自分たちで道を切り開いたという感じではなかったと思います。安定性・継続性を優先し、新たなチャレンジ(「無茶」ともいう)に踏み出しきれなかったという面はあったかもしれません。もっとも、今回参加した学生の多くにとっては、隠岐実習そのものがチャレンジだったともいえます。実習はあくまでも学生が主体であり、意欲ある学生がチャレンジできるプログラムであり続けられるよう、今後も隠岐実習をブラッシュアップしていきたいと思います。

最後に、実習後のことについて。今年も隠岐高校のみなさんを西宮聖和キャンパスにお迎えし、「隠岐ジオパーク研究発表会」および関連イベントを開催します(10月8日に開催予定)。近日中に開催告知やポスター掲示を行いますので、隠岐や高校生の探究学習などに関心のある学生はぜひご参加ください!

・・・あとは報告書作成ですね。隠岐実習はむしろこれからが大事なのです。頑張って作成していきましょう・・・!>隠岐実習メンバー

末筆となりましたが、今回の実習も実に多くの方々のご理解・ご協力のもと、無事に終えることができました。あらためて心より感謝申し上げます。また、隠岐実習メンバー(もちろんLAも含む!)の頑張りのおかげで今回もステキでサイコーな実習になりました。ありがとうございました!

これにて隠岐実習2024レポートは完結! ここまでお読みいただき、ありがとうございましたm(_ _)m

隠岐実習2024 DAY5(8/28)

DAY4からの続きです。この日は島前DAY。

ここまでのレポートではあまり言及してきませんでしたが、今回の実習は台風10号の動きがずっと気がかりでした。特にこの日は、島前に行けたとしても帰ってこれなかったら大変なことになるので、慎重な判断が求められました。台風の中心はかなり離れていましたが、隠岐周辺は東風がけっこう強く、前日の夜は気象情報等を参照しながらさまざまなシミュレーションを・・・・・・とカッコつけて書いてみましたが、実際には寝落ちしていました😅

まあ、離島ではなるようにしかならんのです。船が出なかったらそのとき考えればいいや、ぐらいのマインドだったのはたしかです。(いいのか、担当教員がそれで?!)

朝6時半、隠岐汽船のサイトをチェックすると「定期運航」の表示! 波もそれほど高くない! ということで、予定どおり島前行き決行です。

8時半、西郷港を出港!
レインボージェットが追い抜いていきます
断崖絶壁と西郷岬灯台(見えるかな?)

9時40分ごろ、海士町の菱浦港に到着。このあと午前中は、①お山の教室(森のようちえん)視察、②隠岐神社や後鳥羽院資料館などへの訪問(フィールドワーク)の2グループに分かれての活動。私は①に同行しました(なので②の報告や写真はありません)。

港からタクシーで移動し、10時少し前にお山の教室がある隠岐しぜんむらに到着。今回の視察は実習参加学生のKさんが希望したもので、視察申し込みなどはすべてKさんがやってくれました。

島を遊びこむ お山の教室の概要についてはウェブサイトで知ることができ、1年間の活動の様子がわかる動画も公開されています。当日は事務局長のOさんが迎えてくださり、ご挨拶もそこそこに、さっそく子どもたちの様子を見に行くことにしました。(以下、写真掲載の承諾はいただいており、写真にはぼかし処理を施しています)

野菜を育てている菜園で活動する子どもたち
森が丸ごと遊び場
竹をのこぎりで切る子どもたち(大人は基本見守るだけ)

私自身も初めての訪問であり、感銘を受けたことはいくつもあります。まず、「森のようちえん」というコンセプトが徹底されていること。森のそこらじゅうが遊び場、活動場所となっていることが見て取れました。また、毎週金曜日は地域におでかけすることになっているそうで、島が丸ごと遊び場、学びのフィールドともいえます。Oさんのお話を通じてそのねらいや思いについても知ることができました。教育的な観点と地域的な観点から追究していきたいテーマです。

Oさんからのレクチャー

また、子どもの自主性・主体性や想像力・創造力を大事にするということがよくいわれますが、その実践を垣間見ることができ、いろいろと考えさせられました。私自身は幼児教育が専門ではなく、自分の子どもも大きくなってしまいましたが(Oさんのお話を聞きながら子育て期を思い出して反省・・・)、子どもたちが身近にいる聖和キャンパスの一員として今回の学びを今後に活かしていきたいと思います。

あっという間に11時半になり、視察終了。Oさんをはじめとするお山の教室のみなさん、ありがとうございましたm(_ _)m (なお、隠岐しぜんむらのFacebookにて私たちの視察訪問を紹介していただきました!)

タクシーで港に戻り、フィールドワーク組と合流して昼食。さあ、ここから慌ただしい動きになっていきます。

12時55分、島前内航船のフェリーどうぜんに乗って隣の西ノ島町・別府港へ。(私が勘違いしていて危うく乗りそびれるところでした💦)タクシーに乗って向かった先は・・・

摩天崖!
青空じゃなくても絶景

いや~、そもそも島前に行けないかもと思っていただけに、望外の喜びです。いつかは崖の下まで歩くコースもチャレンジしたいですね(学生ついてこなさそう・・・)。しばし絶景を堪能し、次に向かったのは・・・

通天橋!
タクシーの運転手さん撮影(iPhoneの連写機能をその場でマスター👏)

さらに、廃校(旧黒木小学校)を利用して2023年3月にオープンしたあそびとくらしの店 海月堂へ。少子化が進む中で廃校が地域のコミュニティスペースになる好事例、といったことを学生たちが感じていたかどうかはともかく、個性的な店内でほっと一息です。

バタバタとお邪魔しました🙇

さて、15時30分発の島前内航船いそかぜに乗って再び海士町へ。菱浦港から少し歩き、今年も隠岐國学習センターを訪問しました。竹内センター長に出迎えていただき、まずは「土間」にて隠岐國学習センターや島前地域の教育魅力化について概要をご説明いただきました。

竹内センター長によるレクチャー

その後、学習センター内をご案内いただきながらさらにお話を伺いました。今年度から小・中学生を対象とした事業も本格的にスタートしており、昨年度の大人の島留学生インタビューでお会いしたSさんが主力として活躍されているとのこと。今回は短い滞在となりましたが、新たなチャレンジをし続ける島前地域の一片を感じ取ることができたのではないでしょうか。

ピザ窯の前で

まだまだ聞きたい話はありましたが、船に乗り遅れてはまずいので16時半過ぎに学習センターをあとにして港へ。そして、16時49分発のいそかぜで再び西ノ島町へ(笑)。そうです、今回はスケジュールの都合上、海士町と西ノ島町の間を行ったり来たりすることになったのでした。

無事17時15分発のフェリーしらしまに乗ることができ、島後(隠岐の島町)へと戻ります。疲れや船酔い対策のため、ほとんどの学生は出発早々に眠りに落ちていきました。18時半、西郷港に到着。この日は実質的な最終日の夜ということで、今回も(3年連続!)某店にてささやかな(?)打ち上げを行いました。

いよいよ次のレポートが最終回。(9月15日公開予定)