隠岐実習2025~4日目(8/27)~

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4日目は、隠岐実習では定番となった都万DAY。隠岐の島町の南西部に位置する都万(つま)地区で授業実践や調査を行い、今年も海に入りました!

隠岐病院まで送っていただき、そこから路線バス(都万線)に乗車。ただ、8月下旬の大雨による土砂崩れにより都万線の一部区間が通行止めになっており、時間どおりに着くか心配でした。実際、迂回ルートはなかなかの山道でしたが(夜は真っ暗でした)、結果的には定刻どおり都万支所前のバス停に到着。そこから歩いて都万小学校へ向かいました。

いつまでも残ってほしい都万小の特徴的な建物(写真はクリックすると大きく表示されます)

9時45分ごろから聞き取り調査を開始。今年度から着任された校長のW先生と、昨年度に引き続き教頭のF先生、関西での教員経験をもつO先生の3名にご対応いただきました。事前にお送りした質問リストに沿って、少人数教育、授業での取り組み、隠岐の島町における教員の現状などについて質疑応答が行われました。個人的には、小規模校における子どもとの接し方に「なるほど」と思い、また、先生方のやりとりやお話から垣間見える、都万小のアットホームな雰囲気(がさまざまな気配りによってつくられていること)が印象的でした。

聞き取り調査の様子

その後、短い時間でしたが学校内の見学も行いました。子どもたちのいない学校は静かでしたが、掲示物などから活動の様子が伝わってきます。玄関横には歴代の集合写真が掲示されており、(旧)都万村の学校として存続してきた歴史の重みを感じました。

1年の教室。机が小さくてかわいいです。
明治期からの集合写真が並んでいて圧倒されます

都万小にいる間ずっと、私の頭の中には小・中学校の再編(統廃合)のことがよぎっていました。あえて某資料へのリンクは張りませんし、ここで長々と語ることは控えますが、こんな素敵な学校がなくなってしまってよいのかな、ぐらいは書いておきたいと思います。それは次に取り上げる都万中学校も然りです。

11時半ごろに都万小をあとにし、グラウンドを横切って(ちゃんと許可を得ています)徒歩1分で都万中学校に到着! 昨年よりも早く来た理由は・・・・・・?

都万中学校!

教頭のT先生にお迎えいただき、校長のO先生に挨拶してから控室へ。今年は授業見学もOKということで、4校時(11:40~)の各学年の授業を少しずつ見学しました。最初は2年生の社会(地理)の授業。話の流れで地理クイズ大会に大学生も参戦することになり、大いに盛り上がりました(最後は私がおいしいところをもっていってスミマセンでした💦)。次は3年生の英語。私にとっては1年生のときから知っている生徒たちで、ついに最高学年か・・・とひとり感慨にふけっていました。最後は1年生の体育。バレーボールをやっていましたが、ゲーム(授業)の進め方に工夫がありました。

大学生にとっては負けられない戦い?
3年生たちはギュッと集まって英語の活動中
ミスをしても大丈夫な雰囲気づくりができていました

4校時が終わり、さあ給食の時間! 過去2年が同じメニュー(一匹まるごとの焼き魚!)だったので、まさかの3年連続もあるか?! と期待していましたが・・・・・・今年は違うメニューでした(美味しかったです)。

しまねっこ牛乳ポーズ(?)

5校時が近づき、いよいよ今回の隠岐実習2回目の授業実践に臨みます。西ノ島中学校では1コマ(50分間)、3年生対象の授業でしたが、こちらでは2コマ確保していただき、1~3年の全校生徒(28名)が対象です。13時40分、音楽室に全員が集まり授業が始まりました。

まず全体に向けて授業の概要説明

今回用意してきた授業のタイトルは「隠岐推します!~あなたの『好き』で島が輝く~」。簡単に流れだけを言ってしまうと、前半は隠岐グループと都市グループに分かれてディスカッションを行い、それぞれの良いところや欠点について議論する中で、最終的に隠岐のアピールポイントを見出していきます。それをもとに、後半は隠岐をPRする「広告」を作成し、最後に発表する、という内容でした。工夫した点はいろいろありましたが、中でも前半のディスカッションにおける「欠点に対する見方を変え、良いように言い換える」活動はこの授業のキーとなるものでした。授業を構想する過程において学生たちがこだわったのは、視点を広げ、多面的な見方・考え方を大事にするということです。

3教室に分かれて活動が進められました
自分の言葉で主張することも重視した点の1つ
さまざまな意見が出されています
広告を作成しているところ

予定よりも少し時間が押しましたが、残りあと10分ほどのところで再び音楽室に集合し、3グループが作成した広告を提示して発表を行いました。中には教室から音楽室へ移動する間に打ち合わせを行い、他のグループとは異なるプレゼンをしていたグループもあり、臨機応変さや都万中ならではの子どもたちの関係性の強さを感じました。

1グループ目の発表
2グループ目の発表
3グループ目の発表

最後は学生がまとめを述べ(ここはもっと時間を取りたかった)、授業終了。その後、毎回恒例の写真撮影タイムとなりました(波江は同行カメラマンと思われているかも😅)。

(なぜこのポーズだったのか撮影者はよくわかっていません・・・)

授業の振り返りも書きたいところですが、すでに相当長くなっているのでまたあらためて。この日最後の活動はシーカヤック! 細かい説明は抜きにして、どうぞ写真をご覧ください!(写真の一部は隠岐ジオパークツアーデスクのSさん撮影・提供)

シーカヤックに行く前に屋那の舟小屋が見えるポイントに寄り道(高田山もよく見える)
波江もがんばってます!
後部座席(?)視点。波江とペアを組んだのはTさん。
サンセットというには微妙でしたが、海の上は気持ちよかったです

この日の夜は名店のお寿司(だけじゃない)を堪能し、ホテルに戻ってきたのは22時近く。4日目までは大きなトラブルもなく、気がつけば実習も残り2日。ということで、5日目のレポートに続きます(9/20公開予定)。

隠岐実習2025~3日目(8/26)~

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実習3日目は島前DAY! 新型コロナの影響で日程短縮となった隠岐実習2021を除き、毎回島前に行っていますね。

8時30分発のフェリーしらしまに乗って西郷港を出港! 写真ではどんよりしていますが、基本的には良い天気で波も穏やか。ただ、風がかなり強く(それなりの速度で航行しているので当然ですが)、私は西郷岬灯台(イチオシスポットの1つ!)を通過したあたりで船内に戻りました・・・。学生の何人かはずっと外にいたようです。

髪型が乱れている写真を使ってしまいすみません🙇‍♂️

定刻どおり9時40分に海士町の菱浦港に到着。そこから5分ほど歩き、今年も隠岐國学習センターにやって来ました。今回はいつもと違う向きで記念撮影。学生たちが立っている坂道を上っていくと隠岐島前高校に着きます。

古民家改修部分を背景に

今回も竹内センター長にご対応いただきました。建物内部を見学しつつ用意されたスペースに入り、10時ごろからレクチャー&ディスカッションの開始です。まずは竹内さんから、アイスブレイクも交えつつ隠岐國学習センターや島前地域の教育魅力化についてご説明いただきました。

竹内さんによるレクチャー

少し時を遡ると、私は7月22日に隠岐國学習センターを訪問し竹内さんと打ち合わせを行いました。今回の機会(隠岐実習での訪問)を、一方的に教わったり予定調和的な質疑応答に終始したりではなく、双方向的で刺激的な時間にしたいという思いを伝えたところ、共感していただき、当日はあれもこれもではなく、いくつかのテーマをもってディスカッションをしましょう、という話になりました。

その話を持ち帰り、学生たちには「隠岐國学習センター訪問の目的は何か、訪問を通じて何を学び何を得たいのか」を明確化(言語化)するよう求めました。提出された回答を竹内さんとも共有し、当日はそれをもとにディスカッションが進められました。

大まかな流れとしては、「公教育のあり方」、「公教育と公営塾の関係性」(隠岐國学習センターは公設民営に近い)、「子どもの興味関心や自発性を活かす教育、自律的な学習者」といったテーマで議論が行われ、そこから展開して「公教育における「探究」の是非」にも話が及びました。2日目のレポートの中で、「探究」に対する考え方に関して私と学生の間にギャップがあると書きましたが、それはこのディスカッションを通じて感じたことです。学生たちの発言が止まらなかったため私は静観していましたが、もっと時間があればこのテーマで議論を深めたいと思えた時間でした。

「探究」に対する率直な思いを語る学生

11時半にディスカッション終了。正直なところ、ぜんぜん時間が足らず消化不良な感じ・・・。ともあれ、他団体(東京の某高校の研修旅行)と重なり忙しい状況の中で私たちの実習を受け入れてくださったことに感謝し、学習センターをあとにしました。

昼食後(今年も限定10食のアレを堪能!)、フェリーどうぜんで隣の西ノ島町へ。予約していたジャンボタクシーに乗って別府港を出発し、10分ほどで西ノ島町立西ノ島中学校に到着。さあ、今回の隠岐実習「1回目」の授業実践です。

隠岐実習ファン(?)の方は「あれ?」と思ったかもしれません。あるいは、「おお、久しぶりに!」と思った人もいるかも(相当古参のファン)。隠岐実習での授業実践といえば都万中学校ですが、昨年度まで都万中の教頭だったN先生が今年度から西ノ島中の校長に着任され、授業実践をお願いしたらご快諾いただいた、というのが今回の経緯です(もちろん、前提には「授業実践をたくさんしたい」という学生たちの希望があります)。西ノ島中で授業をするのは第1回の隠岐実習(2019年)以来ですね。

今回の授業は3年生16名が対象であり、学校側からは事前に「中学3年のときに何を考えていたか、何を考えるとよいか、話してほしい」「広い意味でのキャリアを考えるような時間にしてほしい」というご要望をいただいていました。準備の取りかかりは早く、授業の骨格は7月下旬にはある程度固まっていたのですが、そこから話し合いや準備作業が停滞してしまい、結局は実習直前までバタバタすることになりました。また、通しのリハをしないまま本番に臨むというのも不安材料です。

授業開始!

14時40分(6校時)になり、授業開始です。上記のオーダーもふまえ学生たちが考えた授業は「描こう!10年後のわたし~すごろくでつくる未来設計図~」。簡単に説明すると、中学生から始まり25歳をゴールとするオリジナルのすごろくを使い、サイコロを振って止まったマス目のテーマについて話す(話し合いする)、という内容です。互いに緊張して重苦しい空気になるのでは、というのは杞憂で、大学生がうまくリードしながら和やかな雰囲気ですごろくが展開していきました。

開始直後からあちこちで笑い声が上がります
今回用意したすごろく
中学生と大学生の語り合い

残り15分のところですごろくを止め、ワークシートを用いての振り返りの時間を設けました。すごろくを通じて話したこと、考えたことを言語化することは大事なことですが、短時間で書くのは難しかったかもしれません。最後は学生が一人ずつメッセージを述べて授業を終えました。

ワークシートに記入中
授業に込めた思いなどを語りました

授業の反省点は多々あったと思います(当日夜のミーティングで伝えました)。また、授業をやってみての手応えや感想も人それぞれであったことでしょう(後日その一端を知ることになり、それが波江の心に残っています)。大事なのは、やったことを振り返り、それをさらに突き詰め探究していくことではないかと思います。

15時50分ごろに学校を出発し、さあ、あとは観光・・・じゃなくて、隠岐ユネスコ世界ジオパークを体感的に学ぶアクティビティです。向かった先は、の前に・・・・・・途中で出会う馬! 牛!

タクシーの車内から

ワーワー騒いでいるうちに、摩天崖展望所に到着。では、写真でお楽しみください!

ばっちりポーズをとる3人組と、風に翻弄される4人組
外海に面した断崖絶壁とカルデラによって形成された内海(左奥)
今年は多くの馬たちや牛たちに出会えました

17時15分、私たちを乗せたフェリーしらしまは別府港を出港。1時間15分の航行で西郷港に戻ってきました。まだまだ暑いですが日の入り時刻は確実に早くなっており、うっすら夕焼けの港周辺です。今回も島前DAYを無事終えることができました。ということで、4日目に続きます。

隠岐実習2025~2日目(8/25)~

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いきなり夏祭りからスタートした隠岐実習2025。この日からウィークデイということで、学校や行政機関などへの訪問が始まります。

この日最初の訪問先は隠岐教育事務所。ホテルからは徒歩25分ほど(波江基準)。西郷湾を眺めながら歩いて行こうかなと思っていましたが(学生たちにとってはちょうどよいフィールドワークになる)、近年の猛暑は隠岐も例外ではなく、朝8時台でもかなり暑い・・・。無理をせずホテルの車で送ってもらうことにしました。

隠岐教育事務所のある島根県隠岐合同庁舎に到着。合庁(と地域の方々は言います)は西郷湾に面しており、赤い西郷大橋がよく見えます。

西郷大橋を背景に(写真はクリックすると大きく表示されます)

9時半から調査開始。所長のYさんと指導主事(調整幹)のSさんにご対応いただきました。Yさんは昨年度まで有木小学校の校長でした(ちなみに、昨年度まで所長だったKさんが今年度から有木小学校の校長に)。

Yさん(右)とSさん(左)

島根県教育庁は県内に5つの事務所を設置しており、隠岐教育事務所はその1つです。隠岐4町村(隠岐の島町・海士町・西ノ島町・知夫村)を管轄しており、教育事務を担ったり、各町村に指導主事を派遣して学校や教員を支援したりしている組織です。

事前にお送りした質問リストをもとに質疑応答が進められました。実質的に初めての調査ということでガチガチに堅い雰囲気になるかなと予想していましたが、追加の質問もたくさん出て良い雰囲気。教員人事や少人数教育、子どもたちの島外進学など、隠岐の教育に関する幅広いお話を伺うことができ、さらには隠岐の地域性にも話が及びました。ここで教えていただいたことは、その後の実習におけるさまざまな場面や体験とリンクしていったのではないかと思います。

和やかな雰囲気

11時に調査終了。そこから10分ほど歩き隠岐自然館へ。ユネスコの世界ジオパークに認定されている隠岐地域の「大地の成り立ち」・「独自の生態系」・「人の営み」について視覚的に学べる施設です。基本的に自由見学とし、1時間弱、展示を見たりオキサンショウウオとおしゃべりしたりしました。ぬめたろうたちは今年も元気(?)でした。

オキサンショウウオとの対話
毎年恒例の構図

昼食後、坂を上って島根県立隠岐高等学校へ。毎年来ていますね(波江は隠岐実習以外でも)。今年もお世話になります。今年度着任されたA校長先生にご挨拶してから図書室へ移動し、まずは先生方とのセッションです。当日はW先生、T先生、M先生にご協力いただきました。

W先生(中央)とM先生(右奥)

W先生の気合が入った資料をもとに隠岐高校の概要や教育研究部が主に担当する教育活動や事業等(隠岐ジオパーク研究、地域みらい留学、「越境」的な学び、DXなど)についてご説明いただき、その後質疑応答や意見交換が行われました。隠岐ジオパーク研究や探究学習については後ほど言及するとして、ふだんから高校生と接している先生方から語られる生徒像や生徒一人ひとりとのかかわり方は大変興味深かったですし(大学教員とはやっぱり違うな~)、離島の高校で働くことについてのリアルな声を聞けたのも良かったです。

T先生を中心に質疑応答・意見交換

14時過ぎから始まった先生方とのセッションは2時間を超え、放課後が近づいてきました。16時半からは生徒たちとのセッションです。今回は、10月の関西研修旅行で関西学院大学西宮聖和キャンパスに来て隠岐ジオパーク研究の成果を発表する予定の5チーム、20名ほどの生徒が来てくれました(10月7日に開催予定の隠岐ジオパーク研究発表会については近日中に告知予定)。

5グループに分かれて生徒たちとのセッション開始

前半は隠岐ジオパーク研究に関するディスカッション。高校生はPCに発表資料等を表示しながら現時点までの成果を話し、それに対し大学生が質問や助言をするという形で進められました。大学生は担当するチームの発表資料や動画(7/9実施の中間発表のときのもの)を事前に見ていたため、初対面どうしでありがちな表面的な意見交換ではなく、もう少し踏み込んだディスカッションができていたのではないかと思います。

大学生の話に聞き入る高校生たち

1時間ほど経過したところでいったん打ち切り、後半はフリートークセッション。高校生活、探究学習のホンネ、進路、大学、聖和キャンパス(がメインキャンパスと比べていかに恵まれていないか)、島の暮らしや遊びなど、話題は多岐にわたり、和やかで楽しい雰囲気でした。10月にまたお会いできるのが楽しみです。

撮影協力、ありがとうございます!
あっという間の2時間

18時半になり、生徒は下校する時間です。学校祭(尼寺原祭)直前ということで学校に残っていた生徒も多く、続々と帰宅していきます。そのような忙しいときに私たちの実習にご協力いただき、ありがとうございました!

今回は下校時に記念撮影(パート1)
記念撮影パート2(2日目おつかれさまでした!)

さて、今回の隠岐高校訪問でも実に多くのことを学びましたが、その中でも軸となるのはやはり隠岐ジオパーク研究です。あらためて説明すると、隠岐ジオパーク研究とは、隠岐高校の「総合的な探究の時間」の中で1・2年生が取り組む地域課題解決型の探究学習活動です。翌日以降の実習活動の中でも、隠岐ジオパーク研究や探究学習自体について言及があったり考えたりする場面があり、そこで隠岐実習メンバーが隠岐ジオパーク研究や「探究」についてどのように考えているか、隠岐高校での先生方や生徒たちの話をどう受け止めたか、そこから何を感じたか、を知ることができました。ある程度は想定内でしたが、私(や隠岐高校の先生方)と大学生(や高校生)との間に少なからずギャップもあることに気づき、そのことについて今なお考え続けています。そのギャップの原因としては、説明不足(コミュニケーション不足)による誤解もあれば、それでは片づけられない本質的な食い違いもあると感じていますが、まだぜんぜん整理できていないため、別の機会にまたあらためて書き記したいと思います。

この日のお昼や夜ごはんのときにちょっとした(うれしい)ビックリがありましたが、長くなりましたのでまた後ほど。3日目のレポートに続きます。

隠岐実習2025~1日目(8/24)~

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8月24日(日)、ついに隠岐実習2025の初日です!集合時刻の11時に全員集まりひと安心。遅刻する不届き者がいたのも遠い昔の話です(今ごろ蒸し返すか)。

大阪大学人文地理学教室のみなさんも同日程で隠岐での地域調査(目的や行き先はぜんぜん違う)ということで、搭乗エリアでなぜか横一列で向かい合って挨拶。

フライトはとても順調で、13時10分ごろに隠岐世界ジオパーク空港に到着。今回の隠岐実習参加者はこちらの7名(履修者6名+LA1名)!

(写真はクリックすると大きく表示されます)

隠岐も暑い!

これまで初日は散歩したり隠岐自然館を見学したりとゆっくりめのスタートでしたが、今回はいきなりヤマ場が来ます。ということで、休憩もそこそこに、ホテルのロビーで仕上げの作業と最終打ち合わせです。

何やら細々としたものがたくさん

ホテルを出発し、16時ごろに有木小学校に到着。そう、この日は有木地区の夏祭り。昨年に引き続き、今年も出店させていただけるということで、まずは校長先生や教頭先生、PTAの方々にお礼のご挨拶。その後さっそく出店準備です。

お店の準備完了!
今回の景品たち

今回は魚釣りクイズとうちわづくりの2本立てです。魚釣りと書いてしまいましたが、実際には獲物は2種類あり、魚類を釣ると雑学クイズ、地域(11道府県)を釣るとご当地クイズに答えることになっています。クイズに答えられたら景品がもらえます。魚釣りの獲物や道具、景品はすべて学生たちが手作りしました(波江も某県の制作を担当)。

どこでしょう?

そして、希望する子にはうちわ(白無地か黒無地のどちらか1つ)を渡し、ペンや色鉛筆、ステッカーなどで自由にデコレーションできるようにしました。景品にはプラ板で作ったアクセサリー(ひも付き)もあり、うちわに取り付けることもできます。

17時から体育館でオープニング。今年も子どもたちが銭太鼓を披露してくれました。

上手!

いよいよ夏祭りスタート。さっそく多くの子どもたちや親子が続々と来てくれます。学生たちは休むヒマがないぐらいでした(といいつつ、うまく調整して他のお店に出向き、夏祭りを満喫していました)。

受付でルールの説明
釣った獲物に対応するクイズに答えます
何度も来てくれる子は魚釣りがどんどん上達
うちわは黒が人気
自分たちも夏祭りを満喫
終盤でも大盛況!

今回の出店内容は、子どもたちだけでなく先生方や地域の方々にも大好評でした。隠岐実習の一環として夏祭りでお店を出すねらい・目的は十分達成されたのではないでしょうか。反省点としては、用意したクイズが子どもたちにはちょっと難しすぎましたね・・・(たとえば、Q:島根県の面積は北海道の何分の1? 選択肢:①10分の1、②12分の1、③15分の1)

ところで、夏祭りが始まってすぐ、私は山陰中央新報社の方から声をかけられ取材を受けました。また、学生の1人もインタビューを受けたようです。記事にしていただけるとのことで楽しみにしていたところ(ホテルでは毎日新聞を確認していました)、9月1日の紙面に記事が掲載されました。山陰中央新報デジタルでも読むことができます(「隠岐諸島で養う教育観 関学大生7人が現場実習」、要会員登録)。素敵な記事にしていただき、ありがとうございました。

大学に新聞をお届けいただきました

気がつけば19時近く、もうすぐ夏祭りも終わり・・・と思いきや、今年は最後に手持ち花火をするということで、子どもたちはグラウンドへ。PTAの方から注意事項が伝えられた後、1本ずつ花火が手渡されました。ご厚意で大学生も花火をいただけることに。薄暗くなり始めたグラウンドに花火の光と歓声が広がり、今年の夏祭りはフィナーレを迎えました。

夏の夜と花火のコントラスト
大学生も楽しそう

実習初日のレポートはここまで。2日目(8/25)に続きます。

隠岐実習2025~目次とプロローグ~

8月24日(日)~29日(金)に、6回目となる隠岐実習を実施しました。これから7回に分けてレポートを掲載していきたいと思います。隠岐実習2025レポートの目次は下記のとおりです。

ちなみに、過去の隠岐実習レポートは、20192021202220232024から読むことができます。

さて、今回の隠岐実習も充実してめっちゃ楽しかったですが、いきなり初日のレポートから入るのではなく、行くまでのことを少し書いておきたいと思いました。・・・もったいぶってるんじゃないですよ。反省も含め、準備はやっぱり大切ということで。

今回もkwic配信、ポスター掲示、SNS上での発信、履修説明会開催などいろいろやって科目の周知に努めましたが、履修者募集にはとにかく苦戦しました。「隠岐実習ももう潮時かな・・・」と思ったのも事実です。6回目にして初めて追加募集を行い、なんとか6名集まってほっとしました。

隠岐実習は、正式には「教育課題探究実習(隠岐地域における課題探究と教育実践)」といいます。今回もいろんな人に勘違いされましたが、これは「ゼミ」ではなく、毎回履修者を募集する科目であり、学生はけっして安くはない参加費を払って履修する実習であることをあらためて強調しておきたいと思います。

ただ、科目的にはけっこう恵まれていて、必要経費は大学の「グローバルチャレンジ推進費」から支出されています(このあたりの詳細は今年度中に刊行予定の報告書を参照)。また、ラーニング・アシスタント(LA)をつけることもでき、今年度は昨年度の実習経験者であるSさんとSさんが事前ミーティングのサポートなどを担当してくれました。このうちSさんは(どっちや)現地実習にも同行しました。

履修説明会(4/11)で話すSさんとSさん

今年度は履修者募集の段階から「教育課題の探究」という科目の原点に立ち返ることをテーマとしました。現地実習を終えた今、それは間違いではなかった確信しています。ただし、「教育課題の探究」とはそもそもどういうことで、何を目指すのかをさらに突き詰める(理論的にも実践的にも)必要があるとも感じています。

5月7日(水)の昼休みに第1回ミーティング(顔合わせ)を実施し、その後8月下旬まで、計16回のミーティングを重ねました。計算してみると、総時間はなんと37時間以上(2,245分)💦けっしてダラダラやっていたわけではなく、例年以上に事前準備がしっかりできているという実感はありました。しかし、これだけやっても出発直前や現地に行ってからバタバタした部分はありましたので、なかなか難しいですね・・・。また、毎度のことながら、全員のスケジュールがまったく合わないのも悩ましいところでした。

ここでインスタアカウントを紹介(私のじゃないです)。

ぜひフォローを!

名前は少し(?)風変わりですが、先ほど紹介したSさんとSさんが立ち上げた隠岐実習2025のアカウントです。単なる記録ではなく、履修学生とともに事前ミーティング(S.I.さんについては現地実習も)に参加して感じたことや、LAという立場でかかわることの難しさなども率直に記されています。ぜひご覧いただければと思います。

しかし、大学の一教員としては、ミーティング時間の多さは反省しないといけないですね。というのも、2,245分というのは、1科目に必要とされる授業時間1,350分を大幅に超えてしまっているからです😓もちろん、各学生は毎回参加できたわけではなく、実参加時間数はもう少し少ないはずですが。科目のコンセプト的にどうしても時間がかかってしまうのはやむを得ないのですが、事前学習・事前準備の進め方は見直さないといけないと思います(と毎回反省している気がします)。

そんなこんなで8月に入ってからの追い込み準備を経て、実習初日を迎えました。今回の実習は初日からフルスロットルだったのですが、その様子は次回レポートにて(9/8公開予定)。