「MANDARA10マニュアル」を公開しました

GIS」のページにおいて、「MANDARA10マニュアル」を公開しました。作成する予定もつもりもなかったのですが、授業実施上の必要性を感じ、現在担当している授業向けに作りました。ですので、一般的・網羅的な内容ではまったくありません。今後の追加予定は白紙ですが、作ってしまった以上、まあがんばります(^^;)

隠岐ジオパーク研究オンライン発表会開催(2020年10月13日)

2020年10月13日(火)の朝9時から、隠岐ジオパーク研究オンライン発表会が開催されました(主催:島根県立隠岐高等学校)。昨年度に引き続き、関西学院大学公式サイトに記事を掲載していただきました。

牛突き大会の継承や絶景スポットのアピール方法など離島の課題解決策を探る:教育学部で島根・隠岐高校の隠岐ジオパーク研究オンライン発表会(関西学院大学ニュース)

昨年度は、「教育課題探究実習」の一環として隠岐ジオパーク研究の中間報告に対してコメントや助言を送り、8月に隠岐高校で行われた中間発表会に参加して高校生たちとディスカッションを行いました(隠岐実習3日目)。そして、昨年10月15日には関西学院大学西宮聖和キャンパスにて「隠岐ジオパーク研究成果発表会」を開催しました。

今年度も同様の取り組みを行う予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、隠岐高校と関学の双方の行き来が困難になってしまいました。そのような状況でも、昨年度から始まった隠岐高校と関学教育学部とのつながりを継続すべく、オンラインというかたちで発表会を開催することになりました。ホストである高校側の準備やご負担は相当なものであったと拝察します。先生方や職員の皆様のご尽力に対し、あらためて深く感謝申し上げます。

発表会当日は、7チーム23名が関学に向けて発表しました(残りのチームは大阪大学または立命館大学)。新型コロナの影響で例年のような調査ができなかった班も多かったかと思いますが、そうしたことを感じさせないくらい、どの班も力のこもった発表を行ってくれました。各班の発表タイトルは以下のとおりです。

  • C班「塩蔵わかめの加工体験」
  • F班「都万のお散歩マップ」
  • J班「牛突きを守る~八朔牛突き大会が受け継がれていく伝え方・守り方を考える~」
  • M班「壇鏡の滝に来てもらうために」
  • O班「前の洲の知名度UPについて」
  • P班「~隠岐の島の宝~トビウオ料理」
  • S班「美味しまね認証」

生徒たちの発表終了後、波江から各班へのコメントと全体講評を行いました。また、Y先生からもご講評をいただきました。続いて、再び波江から関学全体と教育学部の紹介を行い、また、昨年度の「教育課題探究実習」に参加したIさんに協力してもらい、大学生のキャンパスライフについて話をしてもらいました。

参加者の少なさは課題として残りましたが、お互いに刺激を与え合う有意義な発表会になったと思います。3時間半という長丁場でしたが、一参加者として非常に充実した時間を過ごすことができました(波江は、スクリーンショットを撮ったり発表の合間に講評用のパワポを作ったり、けっこうワタワタしていました笑)。今回の発表会に参加したみなさま、ほんとうにおつかれさまでした&ありがとうございました!

以下、今回のポスターや写真を何枚か示します(画像をクリックすると大きく表示されます)。

学内宣伝用ポスター。
Microsoft Teamsを使って発表会が行われました。
波江の全体講評を聞いてくれています(隠岐高校提供)。
最後に、画面越しに記念撮影!

オンライン授業の振り返り(2020年度春学期)

混乱の中始まったオンライン授業は、なんとかすべて終了しました。長かったような、あっという間だったような・・・(常套句)。

今学期は最大8コマ/週の授業がありましたが(共同担当やオムニバスの授業の有無によって変動)、振り返ってみれば、学部1年から大学院まで、150人近くの授業から私も含めて3人だけの授業まで、講義、演習、実習事前指導と、実に幅広い授業を担当しました(笑)。ふだんでも大変なのに、全部オンライン対応しなければいけなかったですからねぇ・・・。

数えてみたところ、今学期作成した授業動画は60本以上でした(分割動画をどうカウントするかで数が変わってきます)。また、Zoomを利用した同時双方向型授業は32回実施したみたいです。多いのか少ないのかよくわかりませんが、会議なども含めると、今学期はひたすらPCに向かってしゃべっていたという気分です。

先に総括してしまうと、私自身はオンライン授業にそこそこうまく対応できたと思います。その理由を考えてみると、まず、PCに向かって延々としゃべることがあまり苦にならない(笑)。オンライン授業への適性があるのだと思います(対面授業よりも向いているかも・・・とか書くとさすがにまずいか)。また、私の授業(の多く)がもともとオンライン授業に親和的でした。これまでずっとパワーポイント主体で授業を行ってきており、それを教室のスクリーンに映して説明するのか、動画を作成するかの違いは、それほど大きくないと考えることもできます。

しかし、これはあくまでも私自身の感想にすぎないわけで、今学期の授業を受講してくれた学生がどう感じているのか、オンライン授業を通じて十分な学びがあったかどうかが重要だと考えています。リフレクション(振り返り)を読む限りではおおむね好意的かなと思いますが、鵜呑みにはできません。授業アンケートの結果を待ちたいと思います。しかし、関大の授業についてはすでに結果が出ていますが(リアルタイム集計のため)、やはりウェブアンケートなので回答率が低いんですよね。

また、こうした授業単位のアンケートだけではなく、オンライン授業全体や大学・学部のサポートに関するアンケートを実施し、学生のさまざまな意見や要望を汲み取り、春学期の検証と今後に向けた分析を行う必要があると思います。教員に対するアンケートはありましたが、学生に対してもアンケートは実施されたのでしょうか。

本日(8/1)、大学のサイトが更新され、秋学期もオンライン授業を原則とすることが発表されました。ただ、春学期と異なるのは、部分的に対面授業も実施されるということです(新型コロナウイルス次第ですが)。対面授業とオンライン授業を同時進行するということも求められそうで、ややこしいことになりそうというのが率直な気持ちです。今から考え始めないといけないですね・・・。

以下は、個別の項目ごとの振り返りです。思いつくままに書いています(長いです)。

オンデマンド型の授業形態

  • 3~4月の備忘録でも書いたように、YouTube動画+パワーポイントを基本としました。YouTubeにはアップできない動画(個人情報を含むものや同時双方向型授業の録画など)は、OneDrive(関大ではDropbox)に保存して大学関係者のみ共有可能なリンクを生成して動画を見てもらいました(このオプションがあって助かりました)。
  • 動画は、パワーポイントを使いながら説明や課題提示を行うというスタイルで、これは対面授業のときと基本的に変わりません。

同時双方向型授業

  • 5月からZoomのEducationライセンスが使えるようになり、時間と接続人数を気にせず利用できるようになりました。
  • とはいえ、150人近くが出席する授業でブレークアウトセッションがうまくいくかは不安でした。結果は、全体授業も24グループに分かれてのグループディスカッションもスムーズに進み、Zoomすごいなと思いました。
  • 「文化人類学」では3回同時双方向型授業を実施し、ディスカッションをしてもらいました。しかし、オンデマンド型が基本だったからなのか、私が設定したディスカッションテーマが難しかったからなのか(^^;)、2・3回目は参加者が少なかったです(少人数で濃い議論が交わされていました)。
  • ↑の1・2回目では、Zoomによる同時双方向型授業とYouTube Liveを併用してみました。YouTube Liveの配信自体はうまくいきましたが、ブレークアウトセッション中は配信が止まってしまうのは誤算でした(^^;)(というか、事前リサーチ不足でした)通信環境等の理由でZoomに参加できない人、あるいは、同時双方向型には抵抗があるがリアルタイムで受講したい人を想定してYouTube Liveを併用しましたが、あまり効果的ではなかったかなと思いました。もう少しうまい使い方を模索したいです。

グループワーク

  • 「基礎演習Ⅰ」・「基礎演習Ⅱ」では、オンラインでのグループワークを採り入れました。どちらの授業も、グループワークを行うことに大きな意義があると考えたからです。
  • とはいえ、まずグループづくりの段階から難航しました。とくに1年生の「基礎演習Ⅰ」は、ほとんど人間関係ができていない、それどころか、互いの顔もほとんど知らない状態で、なるべく各人が納得できるグループをつくるにはどうすればよいか、あれこれ模索しました。
  • もうちょっとスマートなやり方があったかもしれませんが、結局、①一人ひとりがやりたいテーマを提出→②Zoomのブレークアウトセッションで話し合ってテーマ候補を絞り込み→③全体セッションで各自の希望を確認(Zoomのホワイトボードを活用)→④人数を調整してグループを確定、という感じで進みました。
  • 「基礎演習Ⅰ・Ⅱ」それぞれでLINEグループをつくりました。対面であればあっという間にできますが、オンラインだとどうすればよいのか苦心しました(LINEはあまり慣れてないですし)。私と直接友だちになってもらうのはまずいので、ラーニング・アシスタント(LA)に協力してもらい、①LAのLINEアカウントのQRコードを提示→②履修者から友だち申請→③申請を承認→④LAがLINEグループを作成、という面倒なプロセスを経ました。
  • グループワークは基本的に各グループのやり方に任せ(課題説明の際にいくつかの方法を例示)、私とLAはZoom上で待機し、質問があれば対応しました。Zoomを全面活用するグループ、LINEの通話やチャットを活用するグループ、簡単な打ち合わせだけしてあとは各自が作業を進めるグループなど、自分たちに合った方法でグループワークに取り組んでいたようです。
  • 「基礎演習Ⅱ」のほうは最後までオンライン授業だったので、プレゼンもZoom上でやってもらいました。事前に打ち合わせや練習をしっかりやっていたようで、オンラインとは思えないほどスムーズなプレゼンばかりでした。

対面授業とオンライン授業の同時実施

  • 事の経緯は割愛しますが、「基礎演習Ⅰ」の最終回を対面授業で実施することが急遽決まりました。1年生にとっては入学4か月目にしてようやくキャンパスで授業を受ける機会となったのですが(ただし、教育学部のある聖和キャンパスではなく上ケ原キャンパスで)、何しろ急な予定変更だったので慌てました。
  • 最終回はグループワークのプレゼンの予定でした。対面授業に出席できない学生が何人かいることが想定されたので(結果的には履修者1人+LAの2人)、オンラインから発表に参加できる工夫が必要でした。
  • 割り当てられた教室の下見ができなかったので、少し不安を抱えながら当日を迎えました。ネット接続は問題なかったものの、PCの音声がスピーカーから出ない! 続々と到着する学生たちへの挨拶もそこそこに、授業開始直前まで試行錯誤しましたが、結局最後まで音は出ず(-_-) PCの音量をマックスにするという原始的な対応でしのぎました(^^;)。
  • 対面授業と同時にZoomミーティングも開き、PCの画面を教室のスクリーンに映しました。このPCを使ってプレゼンを実施し、画面共有でZoom上の参加者に送ることで、全員が発表に参加することが可能になりました。しかし、オンラインからの発表はさぞかしやりにくかっただろうと思います。音がちゃんと出なかったのも申し訳なかったです。
  • 秋学期は、対面授業とオンライン授業を同時進行するという機会が増えそうです。どういうやり方がスムーズで、双方(とくにオンライン)の出席者にとってベターなのか、もう少し考えたいと思います。

オンライン de ○○○

  • オンライン授業になったことで、できなくなったことも少なくありません。今学期に関していえば、「基礎演習Ⅰ」のキャンパスツアーや施設見学、「人文地理学」の学外巡検、「教育課題探究実習」などが該当します。完全再現は無理ですが、オンライン授業であってもキャンパスやフィールドワークの雰囲気を少しでも感じてほしいと思い、いくつかの試みをやってみました。
  • そのひとつが、「オンライン de キャンパスツアー」です。見てもらったほうが早いので、どうぞご笑覧ください。ただ、動画編集に手を出してからまだ日が浅い頃に作成したものなので雑なつくりですね(^^;)
  • 「オンライン de ○○○」とは名付けませんでしたが、教育科学コース1年生対象のオムニバス科目「教育科学入門」向けに、門戸厄神駅から聖和キャンパスまで歩きながら撮影した動画を使った授業も作成しました。
  • こうして自信を深め(?)、ついにオンライン上で学外巡検を実施するという暴挙に出ました。・・・いや、アイディア自体は暴挙でも何でもないですね。ブラタモリなどの番組もありますし。ただ、これを1週間でつくろうとしたことが暴挙、というか、無謀でした。
  • 「オンライン de 学外巡検」の作成、めちゃくちゃ大変でした(*_*; 約4時間のロケ映像を1時間程度に編集し、テロップとナレーション、BGMを追加し、解説動画を挿入して、約1時間35分(90分には収まらなかった)の動画が完成しました。一般公開できるぐらいのクオリティを目指しましたが、実力不足・時間不足で到底そのレベルには及ばず。ということで、公開はしません(笑)。
  • どの作業も大変でしたが、とくにナレーション入れはくじけそうになりました(^^;) ○秒間で過不足なく話すなんて訓練は受けていないので、何度も何度もやり直し。最後のほうは声が嗄れました・・・。プロはやっぱりすごいなあと思った次第です。
  • ↓が動画編集中の画面(クリックで拡大)。5つのトラックに分かれていますが、上から順に、テロップ、映像、映像の音声、ナレーション、BGMです。
動画編集ソフトはFilmora9を使用。

動画編集

  • 上記のように、動画編集ソフトに手を出してしまいました。前回の備忘録で、手を出したら泥沼へ、って書いてたのに・・・。
  • Filmora9というソフトを購入。数千円で買えるんですね。
  • 真面目にマニュアルを読んだという記憶がないので、使いながらなんとなく慣れていったのだと思います。そういう意味では使いやすいソフトですね。ただ、使えている機能やエフェクトはほんの一部だと思います。
  • ノートパソコンで動くのかという不安がありましたが、これまでのところ、フリーズしてしまったということは一度もありません。ただ、いきなり終了したことが何度かあったと思います。マイPC、作業中は全開状態ですがなんとか頑張ってくれています。
  • 「オンライン de 学外巡検」編集中の真夜中に、頑張って入れたナレーションをごそっと削除してしまい、卒倒しそうになりました(^^;) 恐ろしいのはヒューマンエラーのほうですね。そこからはこまめに上書き保存するようにしました。

反省点・課題

  • 動画が長くなりすぎないように、90分の授業を3~4本の動画に分割するという配慮を途中まではやっていたのですが、とにかく動画分割とYouTubeへのアップに時間がかかり、途中でパンクしてしまいました。
  • そこからは動画分割をやめたので、毎回1時間以上の動画をアップしました。視聴するほうは大変だったと思いますm(_ _)m
  • 課題が多すぎて学生の負担が過大になっていることが早くから指摘されていましたが、私自身はいちおう配慮したつもりです。しかし、毎回リフレクション(振り返り;簡単な内容でOK)の提出を求めていたので、学生の負担感は小さくなかったのかもしれません。他の先生方がどのくらい課題を出されているのか、わかりませんからねぇ。
  • オンライン受講環境が整わない学生に対しても配慮はしたつもりですが、十分だったかどうかは検証の余地があると思います。キャンパスへの立ち入りが厳しく制限された状況では、オンライン受講環境が整わない学生に対する配慮も結局遠隔でやらざるを得ないというところにジレンマがあるんですよね。この問題に関しては、教員間の考え方にもかなり差があるという印象です。
  • これはオンライン授業に限った話ではないですが、私は授業開始から1分間の話、すなわち「まくら・つかみ」がほんとうに下手(苦笑)。講義収録でトチってるのは、ほとんどがこの部分です。落語を勉強するか・・・。

その他

  • YouTubeのアカウントBANを食らいかけました(笑)。YouTube動画を含んだ動画をうっかりアップしたら、著作権侵害だと怒られてしまいました。アカウント停止まではいかずに済んで良かったです(^^;)
春学期が終わって抜け殻状態、ということではなく、今朝散歩していてたまたま見つけました。
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オンライン授業対応に関する備忘録(2020年3~4月)

いつの間にか5月になっていた。うちの大学でオンライン授業(と関学では呼んでいます)の実施が決まってからの約1か月はほんとうにあっという間だった。この間やってきたことや考えたことを忘れないうちに記録しておこうと思う(すでに記憶があいまいになりつつありますが・・・)。

2020年3月中旬まで

3月から学校が休校になり、卒業式・入学式が中止になり、予定していた出張も行けなくなるなど、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響は明らかに出ていたけれど、オンライン授業についてまだほとんど想定していなかった。3月14日に実施された会議でも、対面授業を前提として話が進められた。この頃私は、研究室の書棚の部分的な解体に勤しんでいた(笑)。

3月下旬

3月23日、大学から「春学期の授業は4月20日まですべて休講とする」ことが発表された。春学期開始延期ではなく、春学期は予定通り始まるが最初の2週間はすべて休講、というのがわかりにくいと感じた。後述するように、今年度は科目代表を2つ抱えているため、この頃から授業スケジュールの再調整と各方面への連絡に追われるようになった。とはいえ、SNSで他大学の先生たちがワタワタしているのをながめつつも、自分がオンライン授業をすることについてはまだ真剣に考えておらず、(専門科目については)授業準備期間が伸びてラッキーと思っていた(^^;)

4月上旬

とある出来事(だけではないと思うが)を境に、学内の緊迫感が一気に上がった。4月1日付の学長名文書においてオンライン授業実施の可能性が示唆された。4月2・3日の新入生オリエンテーションだけはなんとか対面で実施したものの(相当慎重な感染対策を行った上で)、4日以降、対面方式で予定されていた説明会等はすべて別の方式へと変更になった。そして、6日に「(休講期間明け)21日からの原則オンライン授業実施」が正式に発表された。翌7日に事務室で打ち合わせがあり、そこで教育実習の事前指導もオンライン実施でお願いしますと言われ、(苦)笑いがしばらく止まらなかったことを思い出す。8日からは学生は原則入構禁止、職員も交代勤務となった。

オンライン授業開始(21日)まで

科目別のところでも記すが、専門科目の準備は後回しにして、とにかく「基礎演習」と教育実習事前指導の準備に没頭したという記憶しかない。SNSでは他大学の実践例(失敗例)がたくさん流れてきて、またオンライン授業に役立つサイトも次々登場し、とても参考になった。そうそう、Amazonの購入履歴を見ると、8日にこれ↓を注文している(笑)。PCのマイクよりも声が聞き取りやすいという評判につられて買った。ウェブカメラやキャプチャーボードの購入も検討したが、完全に出遅れていてすでに入手困難な状況であった(形から入ろうとしたけど周回遅れな人)。

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4月13日からの週は、大学 (学長名・教務機構・高等教育推進センター・学部など) からオンライン授業に関する通知や(文字ばっかりの)手引きが次々と届いたり、各方面からさまざまなメールが飛び交ったりして「わけわからん・・・」とひとりごちることもあった。他の先生も苦言を呈していたが、全体的に対応が遅いのと(他大学より半歩ずつ遅れていた印象)、情報の出し方がまずいと感じていた。

オンライン授業開始(21日~)

4月21日(火)、オンライン授業が始まった。ただし、5月6日までは試行期間とされ(とても全面的に実施できる状況にないと判断されたと思われる)、5月6日までは休講とした先生もいるようである。他の大学でも起きたようだが、オンライン授業初日はシステムに多大な負荷がかかり、シラバスやLUNA(関学のLMS)にアクセスしづらい状況が続いた。しかし、完全にダウンするまでには至らなかった(はずな)ので、意外とやるじゃん関学、と思った(笑)。2日目以降はほぼストレスなくつながるようになり感心した。

シラバス(を閲覧するためのシステム)に大きな負荷がかかった理由は、初回授業に関してはシラバスを参照するようにという対応をとったからである。LUNAの各科目ページは、基本的には履修登録翌日からしか利用できない(必修科目などは除く)。教育学部の場合、履修登録は22日からだったので、LUNAが利用可能になるのは最短でも23日からである。そのため、少なくとも21・22日の2日間は、教員と履修(希望)者をつなぐ手段はシラバスしかなかった。

私はというと、授業開始日とLUNA利用可能日のタイムラグを利用させてもらった(^^;) というのも、誰でも閲覧できるシラバスに授業資料を掲載することに疑問、というか抵抗を感じたからである。・・・などともっともらしいことを言ってみたが、時間稼ぎできたことは正直助かった。

というわけで、若干ずるをした感じがないわけではないし、「オンライン授業試行期間」という言葉に甘えながらではあるが、なんとか2週間を乗り切ることができた。ここまで3月以降の流れを時系列に沿って書いてきたが、以下では科目別の対応について記すことにする。

全般

ここまでのところ、授業はすべてオンデマンド型で実施した。すなわち、授業資料をLUNAにアップし、履修者の都合に合わせて受講してもらうという形態である。同時双方向型の授業も今後実施したいと考えているが、慣れていない学生やさまざまな理由があって対応できない学生もいるので、十分な配慮が必要であると感じている。

オンデマンド型授業は、YouTube動画+パワーポイントという方法を採用している。YouTubeはやはり手軽なのと、閲覧者側で再生画質を選択できる点がメリットである。限定公開とはいえ、履修者以外にも見られてしまうリスクはあるけれど、そこはまあしゃあないかな、と。見られるとほんとうにまずいものについては、大学推奨のOneDriveに保存し閲覧権限を限定して公開している。ちなみに、私のYouTuberデビューは2020年4月20日(月)であったことをここに記しておく(笑)。

オンデマンド型授業は、パワーポイントを作成してから、Zoomの画面共有機能を使ってパワポやインターネット画面などを示しながら講義動画を収録(?)している。そして、保存された動画をYouTubeにアップロードし、そのリンクとパワポなどの授業資料をLUNAにアップしている。科目ごとにチャンネルを作成しているのだが、チャンネルごとにアカウント認証が必要で、しかも1つの電話番号で認証できるチャンネルは1年間に2つまでとは知らなかった。4チャンネルつくったので、携帯番号と研究室の電話番号での認証はもう使えない。

今学期は週の後半が大変で、この前は朝から研究室にこもってパワポ作成と動画収録をひたすらやっていた。「はい、こんにちは、波江です。えー、今回は・・・」などとパソコンに向かってしゃべり続ける姿は、客観的に見るとけっこう怪しいんじゃないかなと思うけれど、自分に向いているような気もする(笑)。ちなみに収録は、大学に行けるときは研究室で、行けないときは自宅の、諸事情あって子ども部屋で行っている(^^;)

最初の頃はトチったら録り直しを繰り返して十数テイクでようやく完成、なんてことをやっていたけれど(一度、良い感じで進行していたのに子どもに乱入されたということも(T_T))、あまりに生産的ではないので、最近は多少ぐだぐだでもいいので一発録りすることを心がけている。そのうち余裕が出てきたら動画編集にも手を出そうかな・・・(そして泥沼へ)。

基礎演習Ⅰ

オンライン授業の準備の中で最も大変だった・・・。この科目は新入生全員が履修する必修科目で、約350人の新入生を14クラスに分けて実施する。今年度、私はこの「基礎演習Ⅰ」の科目代表を務めている。役を引き受けたとき、新学期がまさかこんなことになるとはまったく思っていなかった。4月6日にオンライン授業実施が決定されてから20日までに準備を終える必要があり、「実行可能な」オンライン授業版共通シラバスを作成するのに苦心した。

この「実行可能な」というのがなかなか難題で、そもそもこの科目は、グループワークなどを通じて新入生どうしの交流と協働を図り、関学生としてスムーズなスタートを切ってもらうためにあるといっても過言ではないので、オンライン授業にはまったく向かない科目である。履修ガイダンスすら十分にできていない状況の中で、まずはオンライン授業の入口に立ってもらうにはどうすればよいか、というところから始まった。「教員の連絡を確認すること」と「LUNAを使うこと」というオンライン授業の基本中の基本については新入生全員がクリアする、これをまず達成することが「基礎演習Ⅰ」という科目の重要な役割だと考えた。

私のクラスに関していえば、21日のオンライン授業開始を待たずにできるだけ早く連絡をとったほうがよいと考え、初回の予定だった13日に最初のお知らせメールを送って返信を求め、Twitterも併用しながら情報を積極的に届けることを心がけた。その甲斐があったかどうかはともかく、クラス全員のLUNAアクセスは達成できたので、ひとまず安堵している(まだまだ油断できないけれど)。

次の「基礎演習Ⅱ」にも関連することとして、オンライン授業においてラーニング・アシスタント(LA)がどのように授業にかかわれるのか、また、その業務管理をどのように管理するかを考える必要もあった。LAとは、授業のサポート役を務めてくれる学生のことである。「基礎演習Ⅱ」の科目代表・副代表の先生方と協力しながら、オンライン授業でのLA活用ガイドラインをつくれたことは良かったと思う。

基礎演習Ⅱ

2年生の必修科目。「基礎演習Ⅰ」と連動して準備を進めていくことになり、科目代表・副代表の先生方(ならびに各担当教員)と意見交換しながら授業計画の再構築にかかわることができた。2年生が対象ということで、LUNAの活用といった面に不安はほとんどないが、やはりこちらももともとグループワーク主体の科目なのでオンライン授業の難しさは感じる。第2回授業では、あらかじめ提出してもらった「個性的かつ独創的な」自己紹介と掲示板を使ってオンライン上での交流を図った。工夫の効果もあって掲示板は盛り上がっていて一安心。次の第3回で、いよいよZoomを使って同時双方向型授業を試行する予定である。

文化人類学

こちらも初めて担当する科目。ディスカッションを多くとり入れ、学外授業も2回ほど実施しようと考えていただけに、オンライン授業になって正直困った。みんぱく、みんなで一緒に行きたかったなあ。しかし、現実的には難しいので、国立民族学博物館のバーチャル見学を第2回授業とした。このようなコンテンツが用意されていてほんとうにありがたい限りである。第3回は掲示板を使ったディスカッション。書き込みにインセンティブをもたせることによって(また、書き込みやすい問いを用意することによって)議論が盛り上がったのは大きな収穫である。さて、第4回以降はどうしようか・・・。

人文地理学

なんといっても学外巡検を当面実施できないことが大きな痛手。この科目の一番の目玉なのに・・・。初回のガイダンスの中で「スペシャルコンテンツを用意するかも」などと口走ってしまったが、明らかに自分の首を絞める発言である。「人文地理学」に関しては話すネタはいくらでもあるので、オンラインという授業形態の中で、一方通行にならないようにいかに手を動かしてもらうか、取り上げる地域の面白さや課題をいかに実感してもらうかが大事だと考えている。「人文地理学」は実質的な初回(第2回)が終わったばかりなので、まだまだこれから。

実地教育研究(講義)

9月に小学校で5日間の実習を行う「実地教育研究(実習)」の事前指導という位置づけであり、今年度初めて担当する(3人で担当)。自分の担当回がまだ先ということもあり、正直なところオンライン授業のイメージはまだできていない。約150名も履修者がいるので大変そうである。

教育実習A・B

「基礎演習Ⅰ」とともに大変だったのが、「教育実習A・B」の事前指導の準備である。まさかの「オンライン事前指導」計画立案を、科目代表として主導していかなければならない立場となった。「基礎演習Ⅰ」のほうは対面授業を想定した授業計画をある程度オンライン授業にも生かすことができたが、教育実習の事前指導は対面とオンラインではまったく別物であり、ほとんど一からの再構築が必要であった。なんとか4月25日からオンデマンド型での事前指導を開始することができたが、現在も進行中であるため、いま多くを語ることは避ける。事前指導に加え、教育実習時期の変更や新型コロナウイルス感染症対応など、考えるべきこと・対応すべきことが多く、非常に難しい局面が続いている。

教育課題探究実習(隠岐実習)

すでに報告したとおり・・・。今年度の実習を楽しみにしてくれていた学生もいたようなので、期待に応えたい気持ちはあるが、こればっかりは事態の推移を見極めるしかありません・・・。

中等教育学内容特殊講義(地理)

大学院の科目。過去3年間は履修者ゼロで不開講だったので、今回履修者がいて驚いたというのが正直なところ(^^;) しかし、よく知っている学生だし、少人数でもあるので、オンライン授業は最もやりやすいのではないかと考えている。連休明けから本格的にスタートし、地理情報システム(GIS)の実践的な利用や地理教育における活用などについて、双方向的にやりとりしながら授業を進めていく予定である。

地域社会の生活と資源(関西大学)

非常勤先の担当科目について書くの忘れるとこだった!(関大の履修者のみなさん、ごめんなさいm(_ _)m)関大も関学と同じようなスケジュールで遠隔授業(と関大は呼んでいる)が始まった。関大で非常勤を担当するのは初めてなので、LMSなどのシステムの違いにまず戸惑った。関学と長らくお世話になっている大阪大学のLMSはともにBlackboardをベースにしているのに対し、関大ではWebClassというLMSを利用している。使い勝手が違うのは当然なので、ふだんであればマニュアルをしっかり読んで対応するのであるが、本務校でのオンライン授業対応に追われる中でまったく異なるシステムにも対応しようとするのはなかなかしんどいことであった(言い訳&年寄りの発言ですなあ)。非常勤の場合は、どのような学生が受講しているかまったくイメージできない状況で遠隔授業を実施するという点に難しさを感じている。

おわりに

ここまで読んだ人はどれくらいいるのだろうか・・・。(読んでくださった方、ありがとうございますm(_ _)m)無駄に長すぎると思うし、何かの役に立つとも思えないけれど、備忘録とはそういうものだと開き直ってこのまま残しておきます。

最後に気分を変えて、ちょっとだけプライベートなことも。在宅で子どもたちと一緒にいるときは、なんとか時間をつくって外に出ることにしている(もちろん3密を避けて)。家の近くを流れる川の河川敷に行くことが多い。先日そこで撮った写真を1枚だけ・・・。

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